※画像はイメージです/PIXTA

賃貸経営に失敗するケースには、よくあるパターンがあります。そのひとつが、目の前にある数値の意味を理解せず、都合よく解釈するというもの。「シミュレーションでは上手くいくはずだったんだけど……」というケースです。自業自得なことにならぬよう、まずは基本的な数値を確認しましょう。

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    「入居率100%」をそのまま信じてはいけない

     

    ほかにも不動産投資においては、“数値のマジック”といわれるものが色々とあります。

     

    そのひとつが入居率。アパートやマンションの全部屋数に対しての入居状態にある部屋の割合です。すべて埋まっていれば入居率は100%、「満室経営を実現」というわけです。しかし入居率が高いから賃貸経営がうまくいっているか、といえばそうではないことも珍しくありません。

     

    誰もが「住みたい!」と思い、入居待ちがでるような物件の入居率100%もあれば、なかなか入居者が決まらず、家賃を下げたりフリーレントを数ヵ月つけて、やっとのことで実現した入居率100%も、すべて「入居率100%」です。

     

    一般的に新築物件は1年経つごとに家賃は1%下落するといわれてきました。総務省『借家家賃の経年変化について-消費者物価指数における家賃の品質調整に関する調査研究』では、1年ごとに0.8%ほど下落するとしています。

     

    仮に家賃10万円の新築物件があったとしましょう。0.8%ずつ家賃が下落していったとしたら、10年後の家賃は9万3,776円、20年後の家賃は8万6,539円、30年後には7万9,860円。30年で約2割、家賃は下落してしまう計算です。

     

    もちろん0.8%下落は平均値であり、それよりも大きく家賃を下げざるを得ないというケースもあれば、反対に、周辺環境が変わり利便性が向上、家賃も値上げと、オーナーにとっては嬉しい誤算、というケースもあるでしょう。

     

    とにかく、もし入居率を謳い文句にしている物件があったとしたら、実際の経営状況や家賃の下落率も合わせて確認し、総合的に判断。「質の高い入居率」であれば、健全な賃貸経営が実現する可能性の高い物件といえるでしょう。

     

     

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