成約データで見る東京都心部のオフィス市場動向(2021年上期)-エリア別・業種別・ビルクラス別に見た「オフィス拡張移転DI」の動向

成約データで見る東京都心部のオフィス市場動向(2021年上期)-エリア別・業種別・ビルクラス別に見た「オフィス拡張移転DI」の動向
(写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、ニッセイ基礎研究所が2021年11月9日に公開したレポートを転載したものです。

2. オフィス拡張移転DIのエリア格差が拡大

東京都心部の16エリアのなかで2021年上期にオフィス拡張移転DIが高かった上位5エリアを見ると、第1位が「渋谷・桜丘・恵比寿(オフィス拡張移転DI77%)」となり、続いて「麹町・飯田橋(同69%)」、「内神田・外神田(同67%)」、「京橋・銀座・日本橋室町( 同60%)」、「五反田・大崎・東品川(同57%)」の順となった。

 

これに対して、オフィス拡張移転DIが低かった下位5エリアを見ると、同DIが低い順に、「新宿・四谷(オフィス拡張移転DI35%)」、「新橋・虎ノ門( 同38%)」、「赤坂・青山・六本木(同44%)」、「丸の内・大手町(同45%)」、「浜松町・高輪・芝浦(同47%)」となった。

 

また、2020年下半期のオフィス拡張移転DIと、その後半年間の空室率の変動を比較すると、オフィス拡張移転DIが低いエリアほど、その後の空室率が大きく上昇する傾向にあった[図表2]。

 

[図表]エリア別のオフィス拡張移転DIとその後半年間の空室率の変化
[図表2]エリア別のオフィス拡張移転DIとその後半年間の空室率の変化

 

もちろん、空室率の変動は、オフィス拡張移転DIが示す企業の拡張意欲の他に、テナント退去やオフィスビルの新規供給など様々な要因が関係する。しかし、2021年上期は前年と比較して、上位エリアと下位エリアのオフィス拡張移転DIの格差が拡大しており、今後は両エリア間で空室率格差が拡大する可能性があると言える。

 

次ページ2. 業績悪化を理由とした縮小移転は昨年で一巡か

本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

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