(※写真はイメージです/PIXTA)

アパート経営は、なんといっても「利益の最大化」が第一目標です。それを実現するためには、徹底したコスト意識はもちろん、リフォームにおいても「費用対効果」を厳しく見極めなければなりません。その部分をいい加減にしてしまうと、結果に大きな差が開いてしまいます。専門家が分かりやすく解説します。

費用対効果の意識がない管理会社に任せてはダメ!

物件の管理を管理会社に任せている方も多いと思いますが、費用対効果(=「利回り」という考え方)の認識がない管理会社による不必要なリフォーム工事の提案を受け入れてしまうことは、オーナーさんの利益を損ないますので注意が必要です。当社でリフォームを行う場合、次の三つを注意しています。

 

①オーナーの運用方針に沿ったリフォーム内容にする

PM会社の立ち位置はあくまでオーナーさんの代理という立場になります。そのため、リフォームに関しても、オーナーさんの運用方針、現在の入居率、毎月の返済額、確定申告の内容などを理解した上で、リフォーム内容を提案、実施します。

 

例えば、短期保有なのか長期保有なのかで、リフォーム内容は違ってきます。

 

短期保有で近いうちに売却を予定している物件であれば、賃料の最大化を目的とするリフォーム内容になります。なぜなら、賃料総額に応じて売却価格が決まるからです。ただし、売却想定利回りを下回るリフォームは控える必要があります。

 

長期保有の場合は、コストを最小限に抑えて、入居希望者の申し込みが入るラインを判断し、リフォームを行います。

 

キッチンを例にお話ししましょう。

 

短期保有では、賃料アップが目的となるため、売却想定利回りを「リフォーム利回り」が上回るのであれば、多少費用がかかってもシステムキッチンを導入します。長期保有では、著しく賃料が下がらない限り既存のキッチンを生かし、クリーニング、またはカッティングシートなどで済ませます。

 

このように、オーナーさんの運用方針を明確に理解してリフォームを行うのと、理解せずに行うのとでは大きな違いが出てしまいます。

 

②賃貸仲介の営業マンからの意見を取り入れる

的確なリーシングを行うためには、仲介の営業マンからの情報の吸い上げが重要になります。

 

リーシングにおいて重要な位置を占める部屋のリフォームについても全く同様です。現場の仲介の営業マンの意見を取り入れることは必須になります。オーナーサイドの勝手な思い込みでリフォームしてしまえば、入居者が決まらないばかりか無駄な支出にもなってしまいます。

 

③コスト意識を常に持つ

PM会社はあくまでもオーナーさんの代理人であり、リフォーム会社の選定はもちろんですが、工事内容、部材単価などすべてに対してコスト意識を持つことが重要になります。

 

リフォーム会社の選定であれば、工事内容、工期の両面でコスト意識を持っている会社にお任せすることが前提条件になります。コスト意識がなければ、交換する必要のないものを交換したり、不必要な工事も追加されたりしてしまいます。また、工期が長くなってしまい機会損失が大きくなります。

 

このように業者選定においても、コスト意識がなければオーナーさんの望む成果を出すことはできません。管理会社として、工事内容、各部材単価等も工事業者に指示できる知識が求められます。工事業者は入居希望者の要望や、オーナーさんの意向をすべて理解しているわけではないので、それらを踏まえて指示を出すことが重要になります。

 

 

 

大谷 義武
武蔵コーポレーション株式会社 代表取締役

 

太田 大作
武蔵コーポレーション株式会社 専務取締役

 

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※本記事は、『空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

[増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

[増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

大谷 義武,太田 大作

幻冬舎メディアコンサルティング

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