50代、在職中に亡くなった夫…公的年金は相続財産に入るのか【司法書士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

在職中の夫がが突然死去。各種年金の手続きに追われる妻ですが、払われる予定だった年金は、相続財産に入るのでしょうか。また、相続財産となった場合に相続税はかかるのでしょうか。多数の相続問題の解決の実績を持つ司法書士の近藤崇氏が、実例をもとにわかりやすく解説します。

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在職中に亡くなった夫の年金類は相続財産?

 相談内容 

 

横浜市在住の鈴木と申します。50代の会社員の夫が亡くなりました。

 

在職中に相続が発生したため、厚生年金や企業年金、その他にも、個人年金保険契約に基づく年金などさまざまな種類の年金の手続きに追われています。

 

質問なのですが、こうした年金類は相続財産なのでしょうか? また相続税の計算にも加算しなければならないものなのでしょうか?

公的年金は課税対象外だが、個人年金は課税対象に

 解 答 

 

被相続人の死亡により発生・取得する年金受給権ですが、年金の種類等によって扱いが異なります。

 

基本的には、厚生年金などの公的な年金(遺族厚生年金、遺族基礎年金など)は、相続財産の扱いにはなりません。

 

公的な年金は、年金法等の法律で個別に規定が定められており、また、生計を同じくしていた遺族の生活保障の目的で給付されるため、受給権者固有の権利であると年金法等で規定されています。

 

つまり、相続財産ではないので、相続税の計算にも計上しません。

 

一方、相続税等の課税対象になる年金受給権もあるので注意が必要です。具体的な例を2つ紹介します。

 

ひとつは、在職中に死亡し、死亡退職となったため、会社の規約等に基づき、会社が委託していた年金機関などから遺族の方に「退職金」として支払われることになった年金です。

 

この年金は、生命保険金に近いものと扱われ、死亡した人の退職手当金等として相続税の対象となります。

 

法律上は相続財産ではありませんが、一定の控除額(法定相続人×500万)を超えた額については、相続税の計算上で「みなし相続財産」となり、相続税課税額の対象となります。

 

もうひとつは、保険料負担者、被保険者、かつ、年金受取人が同一人の個人年金保険契約で、その年金支払保証期間内にその人が死亡したために、遺族の方などが残りの期間について年金を受け取ることになった場合です。

 

こちらは、本来的には死亡した人が受け取るべきものですので、被相続人から年金受給権を相続または遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。

 

なお、厚生年金や国民年金などを受給していた人が死亡したときに遺族の方に対して支給される遺族年金は、原則として所得税も相続税も課税されません。また、死亡したときに支給されていなかった年金を遺族の方が請求し支給を受けた場合についても、その遺族の方の一時所得となり、相続税はかかりません。

 

詳しくは国税庁のホームページなどもご参照ください。

No.4123 相続税等の課税対象になる年金受給権|国税庁 (nta.go.jp)

 

※本件は業務上の経験と個人的な見解とに基づき記載しておりますので、内容の正確性、法的整合性等ついては一切の保証をできかねます。各相続のケースでは各専門家の指導の下、個別具体的な判断お願い致します。

 

 

近藤 崇
司法書士法人近藤事務所 代表司法書士

 

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司法書士法人近藤事務所 代表司法書士

司法書士法人近藤事務所ウェブサイト:http://www.yokohama-isan.com/
孤独死110番:http://www.yokohama-isan.com/kodokushi

横浜市出身。横浜国立大学経営学部卒業。平成26年横浜市で司法書士事務所開設。平成30年に司法書士法人近藤事務所に法人化。

取扱い業務は相続全般、ベンチャー企業の商業登記法務など。相続分野では「孤独死」や「独居死」などで、空き家となってしまう不動産の取扱いが年々増加している事から「孤独死110番」を開設し、相談にあたっている。

著者紹介

連載現場第一主義の司法書士がレクチャーする「相続まめ知識」

本記事は、司法書士法人 近藤事務所が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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