(※写真はイメージです/PIXTA)

医師の自殺率は一般人の2倍で、科別では精神科医が上位にくるという統計データがあります。精神医療は特に保険制度に問題があり、真面目に患者と向き合おうとする医師はどんどん疲弊していってしまう、と医療法人瑞枝会クリニック・院長の小椋哲氏は語ります。ここでは同氏が、精神医療現場の過酷な実態について解説します。

医師自身が「うつ病」「自死」を選んでしまう実情

加えて精神医療では、そのような精神科医の努力が必ずしも報われるとは限りません。うつ病や躁うつ病、統合失調症などの精神疾患の場合、症状が悪化し、自死を選択するという最悪の展開を迎えることも残念ながらあります。この場合、患者に寄り添い親身になる医師ほど、医師自身が燃え尽き症候群やうつ病などを発症するリスクが高まります。

 

このように心身が疲弊して離職していく医師たちを私自身たくさん見てきました。実際、医師の自殺率は一般人の2倍で、科別では精神科医が上位にくるという統計データもあります。

 

結局、現状の保険診療の枠組みのなかでは、短時間の診察で回転率を上げるか、それを良しとしない医師はボランティア同然の診察で疲弊する、という極端な選択に偏らざるを得ないのです。

 

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問題意識をもった小椋氏は、診療がボランティア状態になることなく、経営が圧迫されることもなく、健康保険の枠組みのなかで患者に十分な診療の時間を提供できる、という独自の診療モデルを活用したクリニック設立を目指し、実現させることになります。

 

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小椋 哲

医療法人瑞枝会クリニック 院長

※本連載は、小椋哲氏の著書『医師を疲弊させない!精神医療革命』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

医師を疲弊させない!精神医療革命

医師を疲弊させない!精神医療革命

小椋 哲

幻冬舎メディアコンサルティング

現在の精神医療は効率重視で、回転率を上げるために、5分程度の診療を行っている医師が多くいます。 一方で、高い志をもって最適な診療を実現しようとする医師は、診療報酬が追加できない“サービス診療"を行っています。 こ…

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