(※写真はイメージです/PIXTA)

「老後2000万円問題」が話題となったことからもうかがえるように、今、多くの日本人が老後生活に不安を抱えています。「『公的年金』だけでは老後の資金が足りない…」、そこで注目される「企業型確定拠出年金」「個人型確定拠出年金」とはどんなものなのか、企業年金コンサルタントの細川知宏氏が解説していきます。

理解しておきたい「『確定給付企業年金』との違い」

同じように2000年代に入ってから整備された「確定給付企業年金」と比較しながらその特徴を確認します。

 

その前に、注意していただきたいのは「仕組み」の名前と「制度」の名前がごっちゃになりやすいので、しっかり区別していただくことです。

 

そもそも、「確定拠出」や「確定給付」というのは、「仕組み」の名前であり、固有の制度を表す名称ではありません。

 

年金制度は、あらかじめ毎月掛けていた掛金(拠出金)を原資として、将来に給付金を年金として受け取れるものです。

 

そして、その金額計算の仕組みには、「拠出金額」だけがあらかじめ決まっている方法と、「給付金額」だけがあらかじめ決まっている方法の2種類があります。そのどちらが決まっている(確定している)仕組みなのかを表しているのが、「確定拠出」と「確定給付」という名前の違いです。

 

●確定拠出年金:掛金額(拠出金額)は決まっているが、将来受け取る給付金額は決まっていない年金制度。

 

●確定給付年金:将来受け取る給付金額は決まっているが、掛金額(拠出金額)は決まっていない年金制度。

 

確定拠出年金、確定給付年金というのは、このようにそれぞれ異なる仕組みを採り入れた年金制度の総称であり、一般名詞なのです(固有名詞ではない)。

 

では、現在、わが国で実在する具体的な制度としては、どんな制度があるかといえば、確定拠出年金には「企業型確定拠出年金」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の2種類があります。両者はいずれも、確定拠出年金法を根拠とする私的年金です。

 

一方、確定給付年金は、確定拠出年金以外の年金として存在します。例えば、おなじみの国民年金や厚生年金、厚生年金基金などは、仕組みとしては確定給付タイプの年金です。

 

そして、企業年金として現在広く利用されているのが、確定給付企業年金法を根拠とする私的年金である「確定給付企業年金」です(一般名詞としての「確定給付年金」と、固有の制度名である「確定給付企業年金」を混同しないように、注意してください)。

 

両者をまとめると次のようになります。

次ページ「確定拠出年金」「確定給付年金」の違いまとめ

※本連載は、細川知宏氏の著書『社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

細川 知宏

幻冬舎メディアコンサルティング

社員の退職金・年金を「見える化」し、社長の老後資金も増やせる⁉ 中小企業だからこそ活用できる「企業型確定拠出年金」を徹底解説。 本書では、大手証券会社勤務を経てIFA(金融商品仲介業者)となり、数々の「企業型確定…

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