マンション防災ではご近所付き合いが大切
最近では、ご近所付き合いを避ける人が多く、人間関係が希薄になってきているとの相談が多くあります。防災や防犯には、ご近所付き合いが大切で、普段の挨拶から生まれるご近所付き合いは、有事の際に助け合いのネットワークとして機能します。近くで事件が起きた時、地震などの災害が起きた時でも、身近に支え合える人たちがいると安心です。
居住者同士の挨拶ができている地域の犯罪発生率は、とても低いといわれています。挨拶は、マンションに住むためのマナーの基本です。自分から積極的に行う事を心がけてください。そういった一人ひとりの心がけがマンションの雰囲気づくりに役立ち、防犯・防災に有効です。挨拶は、お金のかからない最高のマンションコミュニティです。気持ち良い一日は、明るい笑顔の挨拶から始まります。
マンションの居住者は、年齢や生まれ育ってきた環境、価値観が一人ひとり違います。管理規約や使用細則を改正する場合には、居住者(組合員、組合員の家族、賃借人)等の意見を反映させることを目的に『規約改正委員会』を理事会の下部組織として設置して検討するマンションが多くあります。
管理規約改正や新しい管理規約をいきなり総会で決議することはあまりにも無謀です。国土交通省のマンション管理標準指針では『重要な案件については、事前説明会やアンケートにより意見聴取している。』を標準的対応としています。
同コメントでは、総会の議事を限られた時間で効率よく行うためにもアンケートの実施や事前説明会による意見の聴取が効果的な場合も多いこと、また、事前説明会により、区分所有者が議事を十分理解して総会に臨めることとなり、無用な質疑が避けられるとともに、適切な判断が期待できることから、これを「標準的な対応」としています。
規約改正の説明会は、広く組合員から意見を求めるために、平日の夜や休日の昼間の時間帯に開催するなど開催日時を工夫して広く組合員の理解を求めることも必要です。
説明会の資料としては、管理規約、使用細則の変更箇所がわかりやすいように『新旧対照表』を作成して、どこがどのように変更されるかわかりやすいように工夫すると組合員の理解を得られやすいと考えます。
管理規約改正も使用細則の改正の手続きもどちらも総会の決議事項ですが、使用細則は普通決議、管理規約は特別決議の要件が必要です。
マンション管理組合では、管理規約改正の都度管理規約集を製本して組合員に配布しているマンションは多くありません。理由としては製本の費用が掛かることにあります。
一般的には、改正された部分を組合員が自ら現在の規約集の改正されたページに変更後の規約を挟みこんでいる例が多くみられます。
その方法では、規約改正された部分がわかりにくかったり、規約集が劣化したりするので紛失して、マンションのルールブックとして役目を果たさないことが多くあります。
最近では、管理規約改正、使用細則変更に合わせて中身を好きに入れ替えられ、長く使えるルーズリーフバインダーを使用しているマンションも多くなっています。ルーズリーフバインダーを選ぶ前に使い方を具体的に決めておきましょう。どれも同じに思われがちですが、ルーズリーフバインダーは製品によってリングの内径や素材、開閉力など種類はさまざまです。用途やシーンに合わせて選ぶと、より快適に長い間使えます。
管理規約や使用細則だけを綴じるだけではなく、『住まいのしおり』等、マンションで生活するために役立つものをまとめて綴じることができると居住者の利便性が増します。
自宅や管理室に長期間保管することになることから耐久性や容量、厚さ、機能性を重視して選ぶのがいいでしょう。管理規約集は、マンションのルールブックなのでマンションで生活するうえの色々な場面でルール確認をすることが大切ですから、居住者にいつも手元に置いて活用していただくことをイメージしながら選びましょう。
撥水加工が施されているものや布張りであると汚れにくく長持ちするので、賃借人が変更したり、区分所有者が変更したりしても管理規約集を順送りして使用することができるので経済的です。
松本洋
松本マンション管理士事務所代表