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バリュー「指数」にはどんな銘柄が?

この結果、バリュー指数には、株価純資産倍率(PBR)や予想株価収益率(PER)が低いか、1株利益(EPS)などの長期成長率が低いものが多く含まれます。想像に難くないように、EPSなどの長期成長率の実績と見通しが低いために、PBRやPERが低くなっている場合も少なくありません。

 

利益が増えなければ株価は上がりませんが、たとえ利益が増えずとも、その水準と永続性が確実視されていれば、公益事業セクターのように「債券代替」のディフェンシブ銘柄としてPERが高水準で取引されるはずです。

 

しかし、実際にはPERが低く、バリュー指数に含まれているということは、今後の短期・長期の利益に下方修正のリスクが織り込まれています。

 

もちろん、そうした銘柄の中には、実際には高いEPS成長率を生み出す企業もあり、優秀なバリュー・マネージャーはそうした銘柄を探します。逆に、PBRやPERの低いものがすべて「バリューがある」とは限りません。

 

言い換えれば、バリュー「指数」に含まれるものの、バリュー「銘柄」ではないものが存在します。今後の短期・長期の利益に下方修正のリスクが実現してしまう、いわゆる「バリュー・トラップ」に陥っている銘柄群です。

 

米国や世界市場の現状を考えると、金融危機後の金融規制や地球温暖化対策、最近の金融抑圧(インフレ下の金利抑制)やESGなど、事業環境が長期的な制約を受ける企業の多くはバリュー指数に含まれます。

 

そうした企業は、景気が回復するときには、資源価格や長期金利が上昇して業績見通しは上向きますが、事業や利益の長期的な成長見通しは上記の制約によって、大きな不確実性が生じています。

 

他方、大型・独占銘柄は、景気敏感でもあり、景気低迷でも底堅さがあるため、バリュー指数に含まれる銘柄は、こうした大型・独占銘柄で代替されている可能性があります。このように、現時点のバリュー指数には「構造的なバリュー・トラップに陥っている」銘柄が少なくないと見られます。

 

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