(※画像はイメージです/PIXTA)

中学受験する小学生の家庭での勉強時間について「学年+1時間」とは言われます。学校から帰ってくるのが16時だと、寝るのは0時になる計算です。実際はどうなっているのでしょうか。※本連載は安浪京子氏、おおたとしまさ氏の著書『中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

「土日は8時間以上」はアスリート型

中学受験に対するご家庭のスタンスを、私はいつも大きく3つに分けています。

 

〇アスリート型

 

第1志望合格のために、中学受験が最優先のご家庭。オリンピック選手を目指すのと同じストイックさで臨みます。佐藤ママこと佐藤亮子さん(息子3人が灘中、長女ふくめ4人全員が東大理Ⅲに合格)はここにカテゴライズされます。膨大な量の宿題にも、目をむくような難しい問題にも怯まず、勉強も生活も親が徹底管理します。0時過ぎまで勉強するのはめずらしくありません。

 

〇スタンダード型

 

「中学・高校により良い環境を求めたい」「中学校で内申をとれなさそうだから」といった理由や、小学校の半数以上が受験するといった外的要因などで始めるご家庭。ここが中学受験層のボリュームゾーンとなります。塾の言うとおりに3年生の2月(新4年生)から大手塾に通い(最近はさらに1年前倒しの傾向がありますが……)、中学受験をする以上は少しでも偏差値、知名度の高い学校を目指したい、と最初は親ががんばります。

 

しかし、学年が上がるにつれて塾のペースについていけない、思うように成績が上がらない、家庭内の雰囲気が険悪になるという現実に直面し、「ここまで勉強させるのはどうなのか」「わが子を潰してまでしたくない」という葛藤を抱えながら進んでいくことになります。

 

〇マイペース型

 

バレエや将棋など勉強以外にがんばっているものがあったり、「勉強しないよりはするほうがいいし、合格できなかったら公立に進学すればいい」と中学受験ファーストでないご家庭。基本的に大手塾は外し、家から近い、少人数、あるいは寺子屋的な塾に通わせるか、個別指導、家庭教師などでレベルや進度、曜日をカスタマイズします。あまり偏差値にこだわりがありません。

 

「土日は8時間以上」というのはアスリート型です。ただし、大手塾自体がアスリート体質ですから、必然的に土日は6〜8時間は勉強することになりますが……。他にも「朝型がいい」「四当五落(おもに大学受験で使われる)」など、受験に関するうんちくはいろいろありますが、すべてが全員に当てはまるわけではありません。

 

まして身体をつくる大切な時期である小学生にとって、睡眠は勉強より大切。朝に強い子もいれば弱い子もいます。「でも入試は朝からでしょう?」という声もありますが、朝に弱い子は本番1カ月前から徐々に慣らしていけばいいだけの話です。

 

がんじがらめにならず、ご家庭にとってもっとも納得のいく方法を探ることが、やって良かったと思える中学受験への第一歩です。

 

Pointまとめ
● 全員に共通する「勉強時間」「学習量」は存在しない。
● 中学受験へのスタンスには「アスリート型」「スタンダード型」「マイペース型」がある。
● 大手塾は基本「アスリート型」。 

 

安浪京子
株式会社アートオブエデュケーション代表取締役
算数教育家
中学受験専門カウンセラー

 

 

中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール

中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール

安浪 京子 おおた としまさ

大和書房

中学受験では、親が子どもをサポートしようと一生懸命になるほど、無意識に子どもと一体化し、中学受験の迷信に縛られて子どもを追い詰めてしまいがちだ。子どもの人生は合格発表の瞬間に終わるわけではない。大人が子どもの受…

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