そんな米ドル高・円安見通しにとっての「リスク・シナリオ」は、やはり米国株でしょう。先週の米国株は、いわゆる米国債デフォルト懸念が後退したことなどをきっかけに反発に転じましたが、NYダウで見ると、コロナ・ショック後、依然として株高がサポートされてきた120日MA割れ含みの状況が続いています(図表4参照)。
そもそも、NYダウの120日MAからのかい離率で見ると、9月以降の株安は、それまでの保合いを下放れた動きのようにも見えます(図表5参照)。かりに、保合い下放れなら、教科書的には保合いの下限、3万5千米ドルを回復するまでは続落リスクに要注意です。米ドル高・円安シナリオに修正の必要が出てくる可能性があるなら、それは米国株安リスク次第だといえるでしょう。
吉田恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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