※画像はイメージです/PIXTA

超高齢社会の日本において、認知症患者は今後ますます増えていきます。親御さんの認知症の発症を防ぐ、あるいは発症後の介護に備えるには、なにが重要となるのでしょう。介護事業を運営する、株式会社アテンド・代表取締役の河北美紀氏が解説します。※本記事は、書籍『身近な人の介護で「損したくない!」と思ったら読む本』(実務教育出版)より抜粋・再編集したものです。

後悔しないように…「最期の迎え方」アンケート結果

厚生労働省が発表している平成30年の「終末期医療に関する調査」において、次のようなアンケート調査結果を発表しています。

 

アンケート調査の前提条件は「認知症が進行し、身の回りの手助けが必要で、自分の居場所や家族の顔が分からず、食事や着替え、トイレなどもひとりでできなくなり衰弱。回復の見込みはなく、約1年以内に徐々にあるいは急に死に至る」というものです。

 

そうした仮定の中、「どこで最期を迎えたいか」という問いには、「自宅」との回答が最も多く、63.5%もありました。「自宅」を希望する理由としては「住み慣れた場所で最期を迎えたいから」「最期まで自分らしく好きなように過ごしたいから」「家族等との時間を多くしたいから」などがありました。

 

悪条件を仮定したアンケート調査にもかかわらず、「実に6割以上の人が住み慣れた場所での最期を迎えたい希望を持っている」という結果には重みがあります。

 

実際、在宅で最期を迎えるケースも増えてきました。これは地域における在宅医療や在宅サービスが充実してきたこともあり、最期の大切なときを往診医や訪問看護、訪問介護を利用して自宅で迎える方法です。

 

居住場所を施設や病院に移したことに對して、後悔の念や罪悪感を抱いている家族も少なくありません。最後の数日〜数週間を医療介護関係者の人の力を借りながら自宅で一緒に過ごすことも、選択肢のひとつとして心にとどめておいても良いかもしれません。

 

 

河北 美紀

株式会社アテンド 代表取締役

 

 

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河北 美紀

実務教育出版

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