(※画像はイメージです/PIXTA)

医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長の梶川博氏、医学博士である森惟明氏の共書『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』より一部を抜粋・再編集し「レビー小体型認知症」の特徴について解説していきます。

手指の震え、動作の遅れ…繰り返し転倒することも

また、パーキンソン症状(手指が震える、動作が遅い、声が小さい、無表情、歩行障害、小刻みに歩く=小股歩行、安静時に体の一部が震える、筋肉がこわばる、最初の1歩が出ない=すくみ足、転ぶと起きられない)や繰り返す転倒がみられるのも特徴の1つです。

 

ADLの障害があるにもかかわらず、神経学的に病的反射などはなく、頭部CTやMRIで脳梗塞巣もなく、歩行障害の原因となる頸椎や腰椎の異常も認めない場合には、本症を疑う必要があります。

 

その他の特徴に、焦燥感、攻撃性、睡眠中に夢を見て大声で怒鳴ったり叫んだりして布団の上で手足をバタバタさせたりする「レム睡眠行動障害」(睡眠時の異常行動)があります。

レム睡眠、ノンレム睡眠の違いとは?

レム睡眠とは、浅い眠りのことで、身体は眠っているのに、脳が活発に動いている状態です。一方、ノンレム睡眠とは、脳も身体も深い眠りにある状態です。レム睡眠中の脳波は活動しており、前記の症状は夢をみている最中の発現が多いので「睡眠時の異常行動:レム睡眠行動障害」と名付けられました。

 

抑うつ症状の出現頻度も高く(40%)、その他、しばしば起立性低血圧による立ちくらみ、頑固な便秘、頻尿、尿失禁、発汗過多、寝汗などの「特発性で重篤な」自律神経障害がみられます。図形模写の障害やキツネ・鳩テストの障害も本症を疑う所見です。

 

幻視や認知機能変動は、アセチルコリン濃度低下と関連しているため、コリンエステラーゼ阻害(阻止)薬で認知機能の変動や幻覚、妄想を軽減させることがあります。

 

ただ、レビー小体型認知症の患者さんは、薬に対する過敏性(抗精神病薬を含め)が懸念されるため、患者さんの状態を診ながら、薬の用量を調整しています。

「レビー小体型認知症」治療や介護における注意点

MRI画像では、側頭葉から頭頂葉の萎縮がみられますが、海馬の萎縮はアルツハイマー型認知症に比べると軽度です。脳血流をみるSPECT画像では頭頂側頭連合野、後頭葉の血流の低下が特徴とされています。

 

治療、介護の注意点は、以下のとおりです。

 

1)認知機能が変動しやすいので、リハビリは意識がはっきりしているときに行う

2)転倒しやすいので、十分な見守りが必要

3)血圧の変動が大きく、起立性低血圧によるふらつきや意識消失が起こることがある

4)抗精神病薬の使用により、過鎮静や錐体外路症候群(パーキンソニズムなど)が出現しやすいので、注意が必要

5)幻覚があっても本人が自覚している場合には、完全に抑制しなくてよい場合がある

6)食べ物が飲み込みにくくなった場合には、誤嚥を防ぐとともに、食物を細かく刻む、トロミをつけるなど、調理の工夫をする

 

 

注意:本書で紹介している治療法等は、著者が臨床例をもとに執筆しております。万一、本書の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。 また、本書に記載している薬剤等の選択・使用にあたっては、医師、薬剤師等の指導に基づき、適応、用量等は常にご確認ください。

 

 

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梶川 博

医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長

 

広島県広島市出身。1957年修道高等学校卒業、1963年京都大学医学部卒。1964聖路加国際病院でインタ−ン修了、医師国家試験合格、アメリカ合衆国臨床医学留学のためのECFMG試験合格、1968年京都大学大学院修了(脳神経外科学)医学博士。1970年広島大学第二外科・脳神経外科(助手)、1975年大阪医科大学第一外科・脳神経外科(講師、助教授)。1976年ニューヨーク モンテフィオーレ病院神経病理学部門(平野朝雄教授)留学。1980年梶川脳神経外科病院(現医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター)開設、現在会長。医学博士。

 

森 惟明

医学博士

 

大阪府立北野高校を経て、1961年京都大学医学部卒。大阪北野病院でインターン修了。1961年アメリカ合衆国臨床医学留学のためのECFMG試験合格。1967年京都大学大学院修了(脳神経外科学)医学博士。1968年日本脳神経外科学会認定医。1969年京都大学脳神経外科助手。1971年シカゴノースウエスタン大学脳神経外科レジデント。1975年京都大学脳神経外科講師。1979年京都大学脳神経外科助教授。1981年高知医科大学(現高知大学医学部)脳神経外科初代教授。1992〜1999年厚生省特定疾患難治性水頭症調査研究班班長。1992年第2回高知出版学術賞受賞。1996〜2000年高知県医師会理事。1999〜2001年国際小児神経外科学会倫理委員会委員長。2000〜2001年国際小児神経外科機関誌「Child’s Nervous System」編集委員。2000年高知大学名誉教授。著書多数。 

 

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』より一部を抜粋し、再編集したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法

改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法

梶川 博、森 惟明

幻冬舎メディアコンサルティング

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