【M&A】譲渡成功のポイントと「ありがちな失敗」実例と対策 ※画像はイメージです/PIXTA

売り手としてスモールM&Aを成功させるには、留意しておくべき重要なポイントがあります。一度ミスしてしまうと、以降もリカバリーできなくなるケースも多いため、慎重な対応が必要です。よくある失敗事例とともに解説します。※本記事は『スモールM&A実務ハンドブック』(五十嵐次郎著、中央経済社)より抜粋・再編集したものです。

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売り手としての「基本的な条件」を明確化しておく

Q スモールM&A(譲渡)を成功させるには、どんなことに気をつければよいのですか?また、失敗例はどのようなものでしょうか?

 

A 売り手(企業オーナー)がM&A(譲渡)を成功させるための要点(ポイント)は、以下のとおりです。また、M&A(譲渡)を失敗してしまう例(失敗例)も考えてみたいと思います(図表1)。

 

[図表1]スモールM&A(譲渡)を成功させるポイント

 

売り手(企業オーナー)として、M&A(譲渡)の方針に関し、以下の基本的な条件などをあらかじめ明確にすることが重要です。

 

[基本方針]

 ・譲渡希望価格

 ・候補先打診方針

 ・事業継続、雇用維持方針

 ・自身の関与、処遇(譲渡後のオーナー自身の関与程度と処遇)

 ・その他の条件

 

企業オーナーはM&A(譲渡)に関し、自身の分身ともいえる会社について思いめぐらし、ときには逡巡することは当然かと思います。

 

ただし、本件M&Aプロセスがある程度進行した時点において、M&A(譲渡)を翻意することは、相手方に対し信義則的にも経済的にも望ましくありません。企業オーナーが、オーナー自身の判断で本件を止められる時期は、「買い手候補先からの意向表明書」受領時期までであり、またそれを超えた時期においては、合理的な理由なしに自身の判断で本件プロセスを止めることは難しいといえます。

 

企業オーナーは、初期段階における重要な局面(マイルストーン)において、M&Aアドバイザーの助言のもと、本件方針を明確にしておくことが重要です。また、M&Aアドバイザーも、企業オーナーの心情面には十分配慮し、企業オーナーの悩みや逡巡に寄り添った丁寧な対応が重要です。

 

[失敗例]

・売り手(企業オーナー)のM&A(譲渡)に対する意思が曖昧なままM&A手続き(プロセス)が進行し、買い手候補から希望条件を上回る意向表明が提示された際に、売り手が改めて自身の会社の譲渡と自身の「引退」が明確となるにつれ不安が増大し、決断できないまま停滞する

 

・M&Aプロセスの後半、DD対応や最終契約対応などにおいて、売り手のストレスが増大し、心理的ストレスに耐えられず、交渉「白紙」を一方的に宣言。なお、この場合には買い手候補先(相手方)への具体的な対応(経済的な補償など)が必要となる場合がある

 

 

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ファイブ・アンド・ミライアソシエイツ株式会社 代表取締役 社長

1995年、三和銀行(現 三菱UFJ銀行)に入行し支店の主要取引先を担当。

その後、監査法人系コンサルティングに入社し、財務コンサルティング業務に従事。2006年に、みずほコーポレートアドバイザリーに入社(みずほキャピタルパートナーズを兼務)。M&Aアドバイザリー業務やプライベートエクイティ投資業務に従事。

多数のアドバイザリー案件、投資案件を担当。2012年に地域経済活性化支援機構に入社。案件実務責任者として、地域・地方の中核企業の対する事業再生支援業務を担当。その後、M&Aアドバイザリー会社にて中小企業のM&A仲介・アドバイザリー業務、金融機関等のソーシング業務も担当。

2021年に、M&Aアドバイザリー会社のファイブ・アンド・ミライアソシエイツ株式会社を設立。現在、M&Aアドバイザリー業務に日々邁進している。

著者紹介

連載スモールM&A実務ハンドブック

スモールM&A実務ハンドブック

スモールM&A実務ハンドブック

五十嵐 次郎

中央経済社

事業承継やM&Aを必要とする中小企業や小規模事業経営者、それを後押しする税理をはじめとする士業、独立系コンサルタント、地域金融機関の方々に向けたスモールM&Aの入門実務書。

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