【スモールM&Aの実務】会社を可能な限り良い条件で売却する「磨き上げ」とは? ※画像はイメージです/PIXTA

中小企業経営者ができるだけ良い条件で自社を売却するためには、事前の準備が重要です。情報収集の重要性、タイミングの見極め方、そして会社の価値を最大限に高める「磨き上げ」について、専門家がくわしく解説します。※本記事は『スモールM&A実務ハンドブック』(五十嵐次郎著、中央経済社)より抜粋・再編集したものです。

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M&A(譲渡)の検討は、早いほど成果が期待できる

Q M&Aの相談のタイミングはいつがいいのでしょうか? また、会社の「売り時」は、あるでしょうか?

 

A M&A(譲渡)の場合の検討または相談は、早ければ早いほど成果が現れます。一方、会社の「売り時」は、一概には難しいですが、会社財務の経済的観点(株価評価)と企業オーナーの心理的観点(オーナーの心の整理)から、その双方が満たされたときが会社の「売り時」と判断することができると考えます。

 

現時点においてM&A(譲渡)を行わないとしても、将来的にM&A(譲渡)を行う可能性があるのであれば、事業承継やM&A(譲渡)の情報収集はしておくことをお勧めします。特段のコストもかかりません。

 

まずは情報管理に留意しつつ、企業オーナー自身が信頼のおける近い方から相談し、少しずつ専門家等(公的機関相談員や税理士など)に広げ、アドバイスをもらうことが重要です。

 

会社の「売り時」の判断について、経済的観点(株価評価)から考えてみます。M&A株価評価は、外部環境(業界動向、M&A動向)と内部要因(会社業績、財務状況)に影響を受けます。業界が成長しており、再編も活発で、M&Aも盛んに行われている環境において、M&A株価評価は高く評価されます。

 

また、個々の会社についても、不採算事業などが整理され、会社の財務内容も不稼働資産や不採算部門が整理されるなど、会社財務状況も整理され、また上向きである場合には、M&A株価評価は高く評価されます。経済的観点からは、これら外部環境と内部要因を見極め、専門家のアドバイス(簡易査定など)を参考にすることをお勧めします。

 

一方、企業オーナー自身の心情面(心の整理)も重要です。M&Aプロセスは、譲渡する企業オーナー(社長)にとって、経験のないストレスのかかる長丁場の手続きです。M&A(譲渡)方針を決定する前に、さまざまな助言者の意見を参考に十分検討のうえ、自身で納得することが重要です。「会社を手放してしまう」という感情より、「信頼できる人に次を託す」という思いをもつことが大事かもしれません。またアドバイザーは、そのような企業オーナーの心情面に十分配慮しながら、寄り添い伴走することが重要です。

 

 

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ファイブ・アンド・ミライアソシエイツ株式会社 代表取締役 社長

1995年、三和銀行(現 三菱UFJ銀行)に入行し支店の主要取引先を担当。

その後、監査法人系コンサルティングに入社し、財務コンサルティング業務に従事。2006年に、みずほコーポレートアドバイザリーに入社(みずほキャピタルパートナーズを兼務)。M&Aアドバイザリー業務やプライベートエクイティ投資業務に従事。

多数のアドバイザリー案件、投資案件を担当。2012年に地域経済活性化支援機構に入社。案件実務責任者として、地域・地方の中核企業の対する事業再生支援業務を担当。その後、M&Aアドバイザリー会社にて中小企業のM&A仲介・アドバイザリー業務、金融機関等のソーシング業務も担当。

2021年に、M&Aアドバイザリー会社のファイブ・アンド・ミライアソシエイツ株式会社を設立。現在、M&Aアドバイザリー業務に日々邁進している。

著者紹介

連載スモールM&A実務ハンドブック

スモールM&A実務ハンドブック

スモールM&A実務ハンドブック

五十嵐 次郎

中央経済社

事業承継やM&Aを必要とする中小企業や小規模事業経営者、それを後押しする税理をはじめとする士業、独立系コンサルタント、地域金融機関の方々に向けたスモールM&Aの入門実務書。

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