(※画像はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルス感染拡大による経済危機は、多くの企業に打撃を与えています。そんななか、海外の投資家は日本企業に注目しています。今回は海外の投資家や海外の企業と手を結び、世界に進出した事例について紹介します。

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日本の「低い英語能力」…グローバル市場での対応は?

EF英語能力指数(EF English Proficiency Index)というEF試験を受験した成人の英語力の平均の国ごとのランキングを示そうとする試みがあります。

 

2012年には、170万人の受験者により初めてオンライン調査結果が公表され、直近の第6版は2016年11月に公表されましたが、「とても高い英語能力」と評価された14ヵ国、「高い英語能力」と評価された15ヵ国、「中程度の英語能力」とされた17ヵ国の合計46ヵ国の企業や投資家であれば英語によるインバウンド、アウトバウンドのビジネスが可能となります。

 

ちなみに、日本は第6版に出ている69ヵ国のうち53番目、「低い英語能力」と評価されていますが、日本全体が低かったとしても、それでもいまや英語能力の高い国々を選んでビジネスを行うことが日本のグローバル化にとって最も手っ取り早く確実な選択肢となります。

 

日本全体が英語を駆使するようになる必要はありません。英語は英語に慣れた専門家にまかせればよく、逆に英語の通じるグローバルマーケットにそういった専門家を活用して機会を見つけ出していけばよいのです。

日本企業が海外投資家とともに世界へ飛び立った例

「海外の投資家や企業とともに世界に進出するとして、どのような展開になるのか具体的なイメージが湧かない」と思う人もいるでしょう。

 

そこで、実際に海外の投資家・企業とパートナーシップを結び、自社の商品・技術を海外に広めた企業の例として、スポーツ用品メーカー、アシックスの前身企業であるオニツカのケースを紹介します。

 

1949年に創業したオニツカは1960年代に1人のアメリカ人青年の協力を得て、アメリカに自社製品のマーケットを広げていきました。

 

そのアメリカ人は世界的スポーツブランドとして有名なナイキの創業者として知られるフィル・ナイト氏です。

 

同氏は大学時代は陸上チームに所属し、中距離ランナーとして活躍していました。彼は、日本のスポーツシューズの可能性に注目し、1962年にオニツカを訪れました。そこにいたるまでの経緯については、あるインタビューで次のように語っています。

 

「私はスタンフォード大学ビジネススクールの論文で、日本のカメラがドイツのカメラより売れるのなら、日本のスポーツシューズも、ドイツのスポーツシューズのように売れるのではないか、と書きました。当時、アメリカや世界の市場ではドイツのプーマやアディダスが市場を独占していましたが、日本製のシューズが売れると考えたのです。

 

そこで東京で靴屋を回り、オニツカの靴が一番だと知り、彼らに連絡しました」(ナイキ創業者「日本人は挑戦できる人たちだ」フィル・ナイトが「日本を熱烈に愛する」理由松村太郎著東洋経済オンラインより)

 

ちなみに、フィル・ナイト氏が日本に行くことを決めたとき、祖母が驚き、次のように語ったことが、彼の著書のなかで伝えられています。

 

「どうしてなの。バック[フィル・ナイト氏の愛称]、ほんの数年前まで日本人は私たちを殺そうとしたのよ。覚えていないの? 真珠湾攻撃を。日本人は世界を征服しようとしたのよ。自分たちが戦争に負けたことを自覚していない連中もまだいるわ。

 

日本人は密かに企んでいる。お前を刑務所に送るかもしれなくてよ、バック。目をくり抜かれるわよ。連中はそんなこともやってたらしいわ。目をくり抜くのよ」(東洋経済社『SHOEDOG(シュードッグ)―靴にすべてを。』フィル・ナイト(著)、大田黒奉之(翻訳)より)

 

太平洋戦争が終わってから、まだ20年も過ぎていない頃でした。一般的なアメリカ人が当時の日本に対してどのような印象を抱いていたのかがうかがえる興味深いエピソードです。

 

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中澤 敏和

幻冬舎MC

米中経済戦争、消費税増税、コロナショック…中小企業が令和不況に打ち勝つための処方箋。大手監査法人、外資系コンサルティングファームで多くの企業の財務アドバイザーを歴任してきた“事業再生のエキスパート”が解説。

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