量は質を凌駕する?…「量」を上げるために必要なモノとは (※写真はイメージです/PIXTA)

社会的イノベーションを成功させるためにもっとも重要なポイントは、社会全体としてのチャレンジの「量」を上げることだといいます。そのために必要なものとは。※本連載は山口周著『ビジネスの未来』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

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「ベーシック・インカム」が必要な理由

ここからはユニバーサル・ベーシック・インカム(以下、UBI)の考察に入りましょう。最近はいろいろなところで議論されているので、すでにご存じの方も多いと思いますが、ここであらためてUBIとは何かを簡単に説明しておきます。

 

UBIとは「文化的で健康な生活を維持するのに必要な金額を、無条件で、全国民に対して、給付する」という制度のことです。たとえば日本の生活保護など、従来の社会保障のほとんどが、一定の条件に該当する人に対して限定的・選択的に施されるのに対して、無条件で全員、つまりユニバーサルに与えられるという点に特徴があります。

 

私はここまで、私たちの高原社会における経済は、私たちの人間性に根ざした衝動によって駆動されるコンサマトリーなものに転換させよう、と主張してきましたが、この転換を成功させるためにはUBIの導入が必要だと考えています。

 

というのも、すべての人が、あたかもアーティストやダンサーといった人たちが衝動に突き動かされて作品やパフォーマンスを生み出すのと同じように、活動に関わり、活動そのものから愉悦や充実感を覚えることができるコンサマトリーな社会を目指すにあたって、経済的な安定性に関する懸念が、大きな阻害要因になると考えられるからです。

 

UBIの導入については、すでにさまざまな場所で議論が行われていますが、ほとんどの場合、導入の目的として設定されているのが「貧困の解消」と「格差の是正」です。私自身はもちろん、憎むべき貧困と格差の問題がUBIの導入によって解決される……あるいは少なくとも是正されることを肯定的に評価していますが、UBI導入の効果はそれだけにとどまらず、さらに大きな副次的領域にも及ぶと思っています。

 

それは「ライフスタイルの多様化」と「社会的イノベーションの促進」です。どういうメカニズムでUBIの導入によって「ライフスタイルの多様化」と「社会的イノベーションの促進」が起きるのか、考察しましょう。

 

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ライプニッツ 代表 独立研究者
著作家
パブリックスピーカー

1970年東京都生まれ。神奈川県葉山町に在住。慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科美学美術史専攻修士課程修了。

電通、ボストン コンサルティング グループ等で戦略策定、文化政策、組織開発などに従事。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)でビジネス書大賞2018準大賞、HRアワード2018最優秀賞(書籍部門)を受賞。

その他の著書に、『劣化するオッサン社会の処方箋』『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』『外資系コンサルの知的生産術』『グーグルに勝つ広告モデル』(岡本一郎名義)(以上、光文社新書)、『外資系コンサルのスライド作成術』(東洋経済新報社)、『知的戦闘力を高める 独学の技法』『ニュータイプの時代』(ともにダイヤモンド社)、『武器になる哲学』(KADOKAWA)など。

(的野 弘路=撮影)

著者紹介

連載日本人はコロナ後の世界をどう生きるべきか

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

山口 周

プレジデント社

ビジネスはその歴史的使命をすでに終えているのではないか? 21世紀を生きる私たちの課せられた仕事は、過去のノスタルジーに引きずられて終了しつつある「経済成長」というゲームに不毛な延命・蘇生措置を施すことではない…

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