「要介護3」コンピューターが誤った判定を下したまさかの理由【介護のプロが解説】

「要介護3」コンピューターが誤った判定を下したまさかの理由【介護のプロが解説】
※画像はイメージです/PIXTA

65歳以上の介護保険被保険者は、介護が必要になったら市区町村へ要介護認定の申請をします。その際、必ず必要になるのが「主治医意見書」です。主治医意見書は、原則としてかかりつけ医が作成します。市区町村の介護認定審査会では、主治医意見書をもとに、被保険者に必要な介護が受けられるよう判定します。「要介護度」の判定について、介護事業を運営する、株式会社アテンド・代表取締役の河北美紀氏が解説します。※本記事は、書籍『身近な人の介護で「損したくない!」と思ったら読む本』(実務教育出版)より抜粋・再編集したものです。

要介護度「本当にこんなに低い?」と思ったら…

決定した要介護度が予想よりも低く、「必要な介護サービスが受けられていない」と感じたときは、不服申し立てを行うことが可能です。不服申し立てとは、市区町村が行った要介護認定等の決定に対し、介護保険審査会へ審査請求を行うことです。

 

介護認定の判定結果は、市区町村の介護保険課に判定理由を聞くことができます。不服申し立てをする際は、訪問調査員へ正しく心身状態を伝えられたか、主治医意見書に対象者の介護の手間を記載してもらえたかなど、「なぜ必要な要介護度が認定されなかったのか」を振り返る必要があります。そのうえで不服申し立てを行う際は、担当ケアマネジャーに相談しましょう。

 

しかし、不服申し立ての審査結果が出るまでには数ヵ月を要するため、筆者としては「要介護度の区分変更申請」をおすすめします。区分変更であれば、30日以内に結果が通知されます。しかし「介護度が高くなる」と想定して行った区分変更でも、審査会の判定で現段階より低くなる可能性があるので注意してください。

 

また、すでに介護認定を受けている方で、心身の状態が認定時より著しく低下(変化)した場合も、有効期限の更新を待たずに区分変更申請をすることができます。新規申請と同じように、主治医意見書や訪問調査員による調査が行われますので、担当のケアマネジャーや主治医に事前に相談しましょう。

 

介護サービスを希望していない場合

 

介護事業所などが提供するサービスの利用をいますぐは希望していないものの、今後必要になりそうだからという理由で、要介護(支援)認定や基本チェックリストを実施する人がいます。

 

そのようなケースでは、最初の認定期間が終了し、次の「更新」のときに「非該当」になることがあります。明らかに介護サービスの対象外であると判断されるケースとしては、介護事業者のサービスを希望していない(認定期間中に利用実績がない)、また現在は要介護(支援)認定が必要な要件に該当しない場合などです。

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身近な人の介護で「損したくない!」と思ったら読む本 介護のプロが教える介護保険120%活用マニュアル

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河北 美紀

実務教育出版

日本における要介護者数は06年で425万人→12年で545万人と、6年で100万人以上増えています。 しかし、これまでの介護本の著者はジャーナリストが多く、現役のプロ介護職や介護事業所経営者が書いた本はほとんどありませんで…

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