「ペット禁止」なのに、新しい住人が…法的措置はとれるのか【弁護士が解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

「ペット禁止」のマンションでペットが飼育されていた場合、どのような法的措置をとれるのでしょうか。また、そもそもペットの飼育を制限することは法的に問題ないのでしょうか。香川総合法律事務所・代表弁護士の香川希理氏が、裁判例とともに解説します。 ※本連載は、書籍『マンション管理の法律実務』(学陽書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

「ペット禁止のマンションで…」判例をチェック

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当マンションでは、分譲以来現在に至るまで、管理規約においてペットの飼育は一律禁止されています。ところが最近入居してきた区分所有者が小型犬を飼っており、他の区分所有者から苦情が出ています。

 

ペットを飼っている区分所有者に対して、どのような措置がとれるでしょうか。

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ペット飼育行為が共同利益背反行為(法6条1項)として、区分所有法57条に基づく差止請求を行うことが考えられます。

 

この差止請求では、飼育行為の停止のほか、違法行為の結果の除去、予防措置等も請求できます。

 

東京地裁平成19年10月9日判決(判秘)では猫の多頭飼いで糞尿による悪臭被害をもたらした区分所有者に対し、飼育禁止、飼育中の猫の退去、糞尿の除去および防止措置請求が認められましたが、共同利益背反行為の停止等に必要かつ十分な範囲を超えるとして履行確認のための室内への立入請求は棄却されました。

 

この点、次に述べるとおり、ペット飼育禁止規定がある場合には、具体的損害やその蓋然性にかかわらず管理規約のペット飼育禁止条項に基づく差止請求を肯定する傾向にあるため、規約違反のペット飼育行為については、共同利益背反行為該当性が認められる可能性は高いといえます。

香川総合法律事務所 代表弁護士 マンション管理士

2010年弁護士登録。2013年香川総合法律事務所設立。明治大学法学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。
マンション管理士・管理業務主任者資格保有。
東京弁護士会マンション管理法律研究部、東京弁護士会業務改革委員会に所属。

大手マンション管理会社の顧問弁護士を多数務めるなど、マンション管理関係の事件対応に特に強みを持ち、月間100件以上のマンション管理案件の相談を受けている。

著者紹介

連載迷惑行為事例をもとに解説「マンション管理の法律実務」

※本文中の略記 法…建物の区分所有等に関する法律 判秘…判例秘書 地判…地方裁判所判決(決定) 判時…判例時報

トラブル事例でわかる マンション管理の法律実務

トラブル事例でわかる マンション管理の法律実務

香川 希理

学陽書房

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