「ペット禁止のマンションで…」判例をチェック
当マンションでは、分譲以来現在に至るまで、管理規約においてペットの飼育は一律禁止されています。ところが最近入居してきた区分所有者が小型犬を飼っており、他の区分所有者から苦情が出ています。
ペットを飼っている区分所有者に対して、どのような措置がとれるでしょうか。
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ペット飼育行為が共同利益背反行為(法6条1項)として、区分所有法57条に基づく差止請求を行うことが考えられます。
この差止請求では、飼育行為の停止のほか、違法行為の結果の除去、予防措置等も請求できます。
東京地裁平成19年10月9日判決(判秘)では猫の多頭飼いで糞尿による悪臭被害をもたらした区分所有者に対し、飼育禁止、飼育中の猫の退去、糞尿の除去および防止措置請求が認められましたが、共同利益背反行為の停止等に必要かつ十分な範囲を超えるとして履行確認のための室内への立入請求は棄却されました。
この点、次に述べるとおり、ペット飼育禁止規定がある場合には、具体的損害やその蓋然性にかかわらず管理規約のペット飼育禁止条項に基づく差止請求を肯定する傾向にあるため、規約違反のペット飼育行為については、共同利益背反行為該当性が認められる可能性は高いといえます。