ついに、裁判所から「引渡命令」が…
競売では、最高値をつけた人が買受人となります。買受人は、代金を納めると、競売にかけられた物件の所有者となります。それまでの所有者がすんなり自宅を引き渡せば問題はありませんが、買受人が代金を支払ってもなお自宅に居座り続けると「不法占拠者」になります。
もちろん、競売では引越代は出ませんので、自分たちでなんとか引越費用を捻出しなければなりません。経済的に苦しく、引っ越しできないといってずるずる居座り続けると、最終的には裁判所から「引渡命令」が出され、着の身着のまま自宅から追い出されてしまうことになります。
競売後に残った住宅ローンも「借金」支払いの必要あり
競売には、内覧ができなかったり、住宅の欠陥があっても賠償してもらえなかったり、前の所有者が自宅に居座った場合は強制的に退去させる必要があるなど、競売特有のリスクがあります。こうしたリスクを「競売減価」として、市場価格から3~4割程度値引きして売却されます。
そのため、競売では市場価格の6~7割程度の金額でしか自宅が売れないため、競売にかけられても、多額の住宅ローンが残ってしまうことになります。当然、競売後に残った住宅ローンも借金であることに変わりませんので、支払わなければなりません。強制的に自宅を取り上げられるだけでも相当なストレスなのに、自宅を失っても、思ったほどには借金が減らないのが競売なのです。