「偽善でいいから募金しろ」は正しいか
人に対して敬礼を欠いてはならない。されどただ形式だけの敬礼は、往々相手の感情を害し、かえって礼せざるに劣るものである。
【『渋沢栄一訓言集』処事と接物】
礼儀ほど美しいものはない。
【『渋沢栄一訓言集』一言集】
■お礼はかたちだけあっても、したほうがいい
渋沢さんは心がこもっていないのだったら、お礼をしても意味がないとおっしゃっています。明治の時代は江戸時代の儀礼を引きずっていますから、そうなると思います。
しかし、現代は形だけでもこれが本当のお礼であるならば、僕はしないよりもしたほうがいいと思います。渋沢さんが言われるように、万が一、心をこめたい相手ではなかったとしても、お礼はあったほうがいいなと僕は思うんです。
ここは渋沢さんのおっしゃっていることに、あえて反論させていただきます。「お礼、面倒くさいな」と思いながらもお返しを贈ったら、向こうにとってはとてつもなく嬉しい可能性もあります。そして、「わあ!わざわざ?」になるかもしれないのです。
そこから変わるお付き合いもあると思います。だからあの「偽善でいいから募金しろ」と同じですよね、そう思います。
ビビる大木