「渋沢さんの言葉は強く心に響きます」とビビる大木氏。

お笑いの世界にも、お笑いのアシストがあるといいます。しかし、このアシストは芸人にとっての手柄である「笑い」を、他の芸人に譲ることを意味します。渋沢栄一、吉田松陰から学んだものは何か、歴史好きとして知られるお笑い芸人のビビる大木さんが解説します。※本連載は、ビビる大木氏の著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

見ている人は見ていると考えたら心強い

結末よりも過程が大切である
末期における教訓が尊いというよりは、むしろ生前の行為こそ真に崇敬すべき。
【『論語と算盤』人格と修養】

 

■手柄は譲っても、見ている人は見ている

 

お笑いの世界にも、笑いのアシストというものがあります。しかし、このアシストは芸人にとっての手柄である「笑い」を、他の芸人に譲ることを意味します。僕からすると、痛し痒しでもあります。

 

僕としては、「この時点で自分が笑いをとるよりも、アシストしたほうがより大きな笑いになる」と、とっさの判断でアシストしています。僕の心の中では、渋沢さんや松陰先生が話すように、「あとは誠心誠意、頑張るしかない」という精神論になってきます。

 

ただ、そのあたりの目に見えないものに突き進む感じは、正直、最初の頃は苦しかったです。でも、「この笑いの手柄は自分の手柄だ」と思っています。

 

たとえば、第三者がいて、その人の手柄にしたほうが丸く収まるのなら、「それでもいいかな」と考えるようにもなりました。

 

ただ、アシストした相手が、「いや、これは俺の手柄だろう」と思っていることもあると思います。そのときに、周りで見ていた人たちに、「えっ、あれ、大木だよ」と思ってもらえたら、それでいいかなと思うのです。

 

これもまた僕の仕事の一つだと最近、割り切りました。万が一、周りにそういう理解をしてくれていた人がいたならば、ラッキーと思っています。

 

しかし、「見ていてくれる人はいる」という気持ちを持てると、心強いです。「その手柄はどうぞ」というスタンスでやっていけます。

 

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