自分が出演した番組を見ないというお笑い芸人が実は多いといいます。それはなぜでしょうか。ビビる大木氏が著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)で明かします。

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「通り魔を警察より早く捕まえろ」

ビビる大木:現在のバラエティは制約だらけ!!
渋沢栄一:熱い真心が必要だ!

 

僕がまだ若手だった頃の話ですが、足立区に通り魔が出ました。「その通り魔を、警察より早く捕まえろ」というロケの依頼がテレビ局からありました。

 

そのときは、僕は普通のロケ指示だと思って快諾しました。やるのが当たり前だと思っていましたし、「どうしたら犯人を捕まえられるのかな」と本気で考えました。相方と二人でハンディカメラを持ち、街中を捜査というか、パトロールしながら撮影して歩きました。

 

結局、犯人を捕まえられませんでしたが、振り返って考えると、「すげぇことをやってたな」と思います。今、その話をすると、「今は絶対にその企画、テレビ局では通らないよ」と言われます。「それで事件になったら、誰が責任取るんだ」という話に、企画段階でなってしまうからです。

 

渋沢さんは、仕事をする際に、「単に自分の役割を決まりきったカタチでこなすだけなら、それは本来の仕事とは言えない。ただ、命令にしたがって、処理しているだけだ」と言います。

 

仕事とは、自分からやる気を持って、「こうしたいし、ああしたい」「こうやって、これをこうすれば、さらによくなるだろう」と思いつきや、理想的な展開を加えて実行していくことであり、そうなって初めて仕事は仕事になる。そのためにも、「熱い真心が必要だ」と言っています。

 

テレビの世界は、ある意味、雁字搦めです。視聴者の価値観がダイレクトに番組の内容を左右します。今まで通用していたことがダメになってくるのです。そうであるならば、考え方を変えないと、みんなに見てもらえません。そういう新しい価値観に左右されます。テレビは、最近、制約だらけです!

 

しかし、渋沢さんの言葉のように「熱い真心」があれば、もっとおもしろいテレビの世界をつくっていくことができるはずだと、僕は信じています。

 

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※本連載は、ビビる大木氏の著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる 大木

プレジデント社

歴史好き芸人・ビビる大木が、 同郷の偉人・渋沢栄一の遺した言葉を紐解く! 「はじめまして、こんばんみ! 大物先輩芸人と大勢の後輩芸人の狭間で揺れる40代『お笑い中間管理職』の僕。芸人としてこれからどうやって生き…

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