【関連記事】夫婦合わせて収入「月48万円」だが…日本人の「平均的な暮らしぶり」の厳しい現実
おじさんになったから大切なモットー
渋沢栄一:得意なときと、失意のときと
僕の人生のモットーは、「心はいつも半ズボン」という言葉です。誰か有名な方の言葉ではなく、自分で考えた言葉です。
どういう意味かと言いますと、「何歳になろうとも常に少年の気持ち、子ども心を持って生きていこう!」というものです。おじさんになってきましたから、この言葉が持つ意味の深さは重要です。どんなにおじさんになって、ビジネスの打ち合わせでビジネスの話をしていようが、この気持ちをどこかに持ちながら生きることが大切です。
ここ数年、テレビを見ていると、隙のある人間のほうに人気が集まります。ツッコミどころのある人、何か抜けている人など、「どこか憎めないなあ」という方がみんなから愛されます。
以前は、コンビでいると、ネタを書いているほうが評価されて、おもしろいという傾向がありました。現在はネタを書いていないほうがかわいい、何か見ていて安心する、癒やされるみたいな取り立てをされています。変わってきているなと思います。
相方だけがテレビに呼ばれ、自分はあまり呼ばれない、そんなコンビも出てきます。そういうときに、「心はいつも半ズボン」という言葉を知っていると、呼ばれない相方はどこか遊び心というか、そういう自分になることで心の持ち方も変わり、あまり苦しいと思わなくなるのではないでしょうか。
僕は渋沢さんも、「心はいつも半ズボン」の心を持っていたと思います。その心を持っていたからこそ、いろいろな女性の方とお付き合いできたし、30人以上の子どもをもうけることもできたと思うのです。子どものような好奇心がないと、これだけの事業を成し遂げることだって、できないはずです。
「名声とは、常に困難でいきづまった日々の苦闘の中から生まれてくる。失敗とは、得意になっている時期にその原因が生まれる」
この言葉は真理であると渋沢さんはおっしゃっています。得意のときにも調子に乗ることなく、失意のどん底にあっても些細なことを大切にする姿勢に、人は信頼を寄せるのです。その言葉の意味に、「心はいつも半ズボン」も少しは重なると思います。