「おい、大木、テレビに利用されるなよ」…、ビビる大木が堺正章氏と話をした際にアドバイスを受けたといいます。長く芸能界で活躍してきた堺正章氏の経験に裏打ちされた鋭いひと言とは。ビビる大木氏が著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)で明かします。

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芸人にとっての「常識」と「非常識」

■渋沢さんの「常識論」を学ぶ

 

僕たち芸人がバラエティ番組に出演しているときに、視聴者の方が番組をパッと見て、「本当に好き勝手にバカなことをやりやがって」と思っていただけるのは、そんなふうに見せているからです。

 

しかし、バカなことをやるためには、僕たち芸人は「常識」が必要になってきます。常識を知らないと、非常識になれないからです。テレビの世界はそうなっています。ですから、本当に非常識なヤツが出てくると、周りは心底、非常識なヤツを嫌うのです。

 

しまいには、「あいつは本当にダメだな」と言われます。「常識を持ったうえで、非常識を演じる」ことが、お笑い芸人には求められています。

 

ここで、渋沢さんが考える「常識」について学びたいと思っています。

 

渋沢さんは、「やりたいことだけやる。その結果、社会貢献になる」という、まさに時代に選ばれた本当に一人の人物です。ただし、渋沢さんの時代は今ほど成熟していない社会だったので、世に出やすかったことはあると思います。

 

渋沢さんが現在、地方で年商300億円ぐらいの企業経営者の長男で、お坊ちゃんだったら、あのように33歳で社長になれたでしょうか。むしろ、周囲から総スカンで「修業しろよ」と言われるのが、現代です。

 

渋沢さんの実家も豪農・豪商だったのですが、新撰組の副長の土方歳三の実家も農業しながら商売もしていた豪農に近い家でした。実家は寺子屋もしていた近藤勇も似たようなものです。幕末から明治の時代にかけて、下級武士と豪農の子弟は、時代を背負って頑張るぞという気概で満々でした。

 

渋沢さんが生涯現役で、華々しく突っ走ることができたのは、幕末に味わった理不尽な身分制度への怒りがあったからです。この怒りを原動力にしながら、日本の「公益」を充実させて、日本人の暮らしを豊かにしようと思ったからです。つまり、怒りから使命感に変わったように思います。

 

その変えた力こそ、渋沢さんの「常識力」ではないかと思います。

 

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※本連載は、ビビる大木氏の著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる 大木

プレジデント社

歴史好き芸人・ビビる大木が、 同郷の偉人・渋沢栄一の遺した言葉を紐解く! 「はじめまして、こんばんみ! 大物先輩芸人と大勢の後輩芸人の狭間で揺れる40代『お笑い中間管理職』の僕。芸人としてこれからどうやって生き…

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