老人ホームに月22万円「もう少し安くならないの?」
◆親のお金を守れるのは子どもの「情報量」だけ
ある女性が、87歳の母を老人ホーム(認知症対応型共同生活介護:グループホーム)に入所させ、月々約22万円もの支払いをしていたというケースがあります。女性の母には年金受給資格がなく、施設費用の支払いは女性とそのご主人がすべてを負担していました。
まだ学生の子どもを持つ女性にとっては金銭的に大変厳しく、「もう少し費用が安くなる制度や施設はないの?」と常々思っていたそうですが、果たしてそんな制度はあるのでしょうか。
◆施設費用が安くなる?「介護保険負担限度額認定」とは
要介護者が住民税非課税世帯(生活保護を受けているまたは年間の所得額が35万円以下)の場合は、介護保険負担限度額認定という制度が適用されます。申請・受理されると、介護保険施設サービスを受ける際に認定証を提示することで「居住費・食費」が軽減され、この結果、施設費用が5〜10万円も安くなります(介護保険施設でのみ利用可能)。
以下の①〜③をすべて満たしている方が対象となります。
①世帯全員が住民税非課税
②別世帯に配偶者がいる場合、その配偶者が住民税非課税
③預貯金等が単身で1,000万円以下、夫婦で2,000万円以下。ただし、2021年8月頃から単身で650万円以下に変更予定
※ 生活保護受給者は上記要件にかかわらず、負担限度額の認定を受けられます
◆「介護保険施設」とは
介護保健施設には、以下の3つの施設があります。
●特別養護老人ホーム(特養。要介護高齢者のための生活施設)
●介護老人保健施設(老健。要介護高齢者にリハビリなどを提供し在宅復帰を目指す施設)
●介護療養型医療施設(療養病床。医療の必要な要介護高齢者のための長期療養施設)
おもな経営母体は地方公共団体、社会福祉法人、医療法人などです。この中で入所待ちになることが多い「特養」は常時介護が必要で在宅生活の困難な高齢者が入所し、養護されることを目的としています。