バランス型への資金流入は堅調
その他、7月は内外株式以外にバランス型にも900億円の資金流入があった。バランス型には2020年2月までは大規模な資金流入があったが、それ以降は資金流出に転じる月もあるなど資金の動きは不安定な状況が続いていた[図表4]。それが、2021年5月からは継続して資金流入が続いている。
7月のバランス型への資金流入900億円のうち、300億円がつみたてNISA対象のバランス型ファンド(黄棒)への資金流入であった。つみたてNISA対象のバランス型ファンドへの資金流入は2021年3月以降、じわじわと増加してきている。
つみたてNISAの口座数(棒グラフ)、買付額(線グラフ)ともに着実に増加していることを踏まえると、つみたてNISAからの買付によってバランス型全体への資金流入も多少なりとも底上げされていると思われる[図表5]。
いずれにしてもバランス型は2020年3月のコロナ・ショックをきっかけに投資家が離れ、販売がふるわなくなっていたが、足元、徐々にではあるが投資家が戻ってきているようだ。また、冒頭でも触れたようにSMA専用ファンドにも7月だけでなく5月、6月と3カ月連続で1,000億円を超える資金流入があった。
ファンド・ラップといったバランス型と似たコンセプトの商品も売れ出してきているのかもしれない。
このように7月は多くの資産クラスで資金流入があった一方で、外国REITと国内REITからは金額は300億未満と小さいものの資金流出があった。
外国REITでは2020年10月から10カ月連続、国内REITでは2021年4月から4カ月連続の資金流出となった。7月は内外問わずREITが株式より堅調で、特に外国REITは2%以上上昇するなど好調なファンドが多かった。そのため、利益確定の売却が出やすかったものと思われる。
前山 裕亮
ニッセイ基礎研究所
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