資金が少ない場合は売買が活発な銘柄を選ぶ
繰り返しになりますが、本連載では「〇パーセント上がったら利益確定」「〇パーセント下がったら損切り」という数値で売却の判断を示していません。それは、同じ上昇率(下落率)であっても、銘柄や状況によって「売る」「持ち続ける」という判断が変わってくるためです。
今回は、資金30万円を元手にした「30万円コース」を例に取り、3銘柄をピックアップして売却か保有継続かを判断したポイントを説明したいと思います。
①バンダイナムコホールディングス(7832)
「30万円コース」の記念すべき第1号投資銘柄は、バンダイナムコホールディングスでした。バンダイとナムコの経営統合により2005年に設立した、ゲームと玩具のトップ企業です。東証1部で売り上げ規模は約5600億円(2015年3月期)。
<買い推奨をした日>
2013年2月21日
<買い推奨株価・株数>
1500円(2月21日の高値は1532円、安値は1491円)/200株
<買い推奨をした理由>
3月末のドラゴンボールの新作映画公開に合わせて、新作ゲームのリリース及び大ヒットが期待できること(ただし、この時点では未発表)。同業他社に比べて株価に出遅れ感があったが、第3四半期決算の好調で決算発表後に株価が上昇しつつあることなど。
☆藤村コメント・・・材料の豊富さに加えて、資金が少ないところからのスタートのため、売買が活発で流動性が高い大型株を選んだほうが得策と判断しました。
好材料が思うように出なければ「迅速な売却」を
<その後の展開>
●1カ月後(3/21)終値1688円
「ドラゴンボール」の新作ゲームについての発表はないが、「ワンピース」の新作ゲームソフト(PSVita向けなど)が発売初日に出荷本数50万本を突破するなど他の好材料もあり、株価は買値から12.5パーセント上昇。保有継続と判断。
●2カ月後(4/22)終値1737円
株価は右肩上がりで推移。買値からの上昇率は15.8パーセント。保有継続。
●3カ月後(5/21)終値1780円
5月9日発表の通期決算は予想を上回る好業績だったが、2014年3月期は2ケタ減益予想。5月9日に1885円の高値を付けた後は、減益予想を嫌気していったん株価は下落したが、その後再び上昇。上昇率は18.6パーセント。保有を継続。
●約4カ月後(6/24)売り推奨株価1563円
その後、全体相場にツレ安する形で、一時は1400円台前半まで下落。結局、「ドラゴンボール」関連の本格的なゲームアプリも発売されず。池袋ナンジャタウンのリニューアル、「ワンピース」関連のスマホゲームのリリースなど新たな材料はあるが、限られた資金の効率性を考えて買値近辺に戻ったところで売却を判断。買値からの上昇率4.2パーセント。
<まとめ>
4カ月間保有して結果はプラスで終わりましたが、成功とは言えない結果でした。「ワンピース」の新作ゲームアプリがリリースされて大ヒットする、という当初の目論見が外れてしまったことで、この4カ月間に関しては期待外れに終わりました。
ただ、このバンダイの売却があって初めて、次回紹介するKLab(3656)の利益が生まれるのです。