思い描いたシナリオ通りにいかない銘柄は「売却」
定期点検の結果、売却を検討すべきなのはどのような銘柄でしょうか。
まずは、このまま保有しても、購入するときに思い描いていたシナリオ通りには進まないと判断した銘柄です。
たとえば、「海外企業を買収して、海外での製品シェアを高めるというシナリオで株価が上昇する」という流れを思い描いていた場合、買収計画が暗礁に乗り上げてしまったら、購入時より株価が多少上がっていたとしても、持ち続ける意味はなくなってしまいます。
もちろん、別の材料が出てきて、それが期待できるものであれば保有し続けても構いませんが、持っている理由がなくなった銘柄は売却・乗り換えを検討しましょう。
[図表]フェローテック
<売買のまとめ>
●買い推奨日・株価 2011年3月23日 1615円
●売り推奨日・株価 2011年8月8日 1511円
●保有期間 4ヵ月
●損益率 ▲6.43%
●損失(2000株の場合)▲20万8000円(▲100円/100株)
売却する際は「タイミング」を狙いすぎない
株価の動きから売却を検討する場合は、いくつかのケースが考えられます。
●乗り換えを行ったほうがよいケース
株はいつでも誰でも即座に乗り換えを行うことができます。保有銘柄よりもより上昇する見込みのある銘柄があれば、いつでも乗り換えることができるし、そうすべきです。
そのため、保有銘柄の情報だけでなく、保有していない銘柄の動向にも目を配る必要があり、新しいチャンスをつかんでいくことが大事です。資金が少ないほど、乗り換えの重要性は高くなります。
●利益を確定したほうがよいケース
思っていた以上に株価が上昇して過熱感が出ている銘柄は、その時点でいったん利益を確定したほうがよいかもしれません。もし、複数単元を保有している場合は、さらなる値上がりを視野に入れて、一部分だけ利益確定する方法も取れます。
また、ある程度上昇した後に動きが止まってしまった銘柄は、これ以上保有していても上昇は望めない可能性があります。ほかに乗り換える銘柄があれば、売却してそのための資金に充ててもよいでしょうし、場合によっては保有を継続して様子を見ることも可能です。
●損切りをしたほうがよいケース
含み損になっている銘柄は、あまり引きずらずに損切りを決断したほうがよいでしょう。ただし、購入時のシナリオが崩れておらず、たとえば全体相場にツレ安して一時的に下げているだけという場合は、もう少し様子を見るという選択肢もあります。
「損切りライン」といったものは設けていませんが、大きく下落してからの売却は、次の購入資金を減らすことになりますから注意してください。
●値動きがない銘柄は?
買ってからあまり値動きがない銘柄は、損はしなくても、投資効率の面から見ると非常に非効率的です。乗り換えを検討している銘柄があれば、売却してそのための資金にあてるほうがよいでしょう。
なお、売却の際には、タイミングをあまり狙いすぎないことがお勧めです。確かに、相場全体が下がっているような日より、NYダウも日経平均も好調といった日に売ったほうが、多少なりとも株価は上がるかもしれません。
しかし、小さい金額差にこだわり過ぎて売却の時期が探っていると、銘柄の乗り換えなどその後の取引もどんどん遅れてしまい、より大きな利益獲得の機会を逸する可能性もあるからです。