長男に全財産を渡したい…80代母の「不公平な相続」の結末【相続トラブルを行政書士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

遺言書を作成した後に、相続人となるはずだった子どもが亡くなったら? 考えたくないことですが、問題のない遺言書を作成するは念には念を入れなければなりません。行政書士の山田和美氏が、乙田さんの遺言書を例に解説します。※本連載は、書籍『「きちんとした、もめない遺言書」の書き方・のこし方』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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「相続が起きる順番」はわからない…万が一に備えて

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【遺言公正証書】

第一条 遺言者は、遺言者の有する次の財産を、遺言者の長男 乙田信夫に相続させる。

 

1、土地

岐阜県岐阜市XXX1丁目1番

宅地 180.00㎡

 

2、建物

岐阜県岐阜市XXX1丁目1番地

家屋番号 1番 居宅

木造瓦葺平家建

床面積 100.00㎡

 

第二条 遺言者は、遺言者の有する次の財産を、遺言執行者にて換価させ、その換価金からまず金2,000万円を乙田信夫に相続させ、その余の全額を遺言者の二男 乙田良夫に相続させる。

 

1、A銀行岐阜支店の一切の預金(普通預金口座番号0000001、定期預金口座番号0000002等)

 

2 、B信用組合岐阜支店の一切の預金(普通預金口座番号0000003等)

第三条 本遺言の執行者として、行政書士 行政太郎 を指定する。

(省略)

 

(本旨外要件)

岐阜県岐阜市XXX1丁目1番地

職業 無職

乙田恵子

昭和8年12月31日生

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※ 遺言者の立場からすれば自分より先に子どもが亡くなることなど想像もしたくないかもしれませんが、「問題のない遺言書」をつくるには「万が一」に備えた記載が不可欠。次の候補者を定める「予備遺言」の条項を入れておきましょう。

 

【本記事のポイント】

●財産を渡す人が遺言者より先に亡くなると原則、渡すと記載されていた財産は「書かれていなかった」のと同じになる

●相続が起きる順番はわからない。予備遺言で万が一に備えたい

遺言書を作成した数年後、長男が不慮の事故で…

数年前に夫の遺産をすべて引き継いだ乙田恵子さんは、「終活」の一環として、専門家に相談し、公正証書で遺言書を作成することにしました。長男と二男の仲は良好とはいえず、争いになるのは確実だと考えたためです。恵子さんの想いとしては長男に全財産を渡したいところですが、遺留分にも配慮した内容で完成させました。

 

しかし、遺言書を作成した数年後、長男が不慮の事故で他界する事態が起こってしまったのです。

なごみ行政書士事務所・なごみ相続サポートセンター(愛知県東海市)所長 行政書士

1986年生まれ。愛知県稲沢市出身。
大学在学中に行政書士、CFP資格を取得。

大学卒業後、名南コンサルティングネットワーク内名南司法書士法人に入社し、相続手続きを専門的に担う部署に所属。
その後、名南税理士法人に転籍し、主に事業承継サポートを担当。

2014年に独立。なごみ行政書士事務所及びなごみ相続サポートセンターを開業。
相続案件や遺言作成サポート案件を中心に業務を受注し、相続セミナーやコンサルティングなどに積極的に取り組む。相続に関する相談件数は年平均100件超。

著者紹介

連載家族の「争いのもとになる遺言書」を書かないために

残念な実例が教えてくれる 「きちんとした、もめない遺言書」の書き方・のこし方

残念な実例が教えてくれる 「きちんとした、もめない遺言書」の書き方・のこし方

山田 和美

日本実業出版社

昨今の終活ブーム、エンディングノートブームの影響で、 ・そもそも法律要件を満たしていないので効力がない ・遺族がもめやすい検討事項がまったく解決されていない ・相続税は抑制されたようだけど、これでは家族の溝を深…

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