※画像はイメージです/PIXTA

アメリカに資産を保有する方が亡くなった場合、「プロベート」という、煩瑣かつ相当な費用と時間が求められる手続を経て、資産の所有権移転を行う必要があります。しかし、不動産は「TODD」、預貯金は「POD」といった制度を活用することで、手続きを簡便にすることが可能です。具体的な方法と利用時の注意点を、国際法務に精通する中村法律事務所の中村優紀代表弁護士が解説します。

TODDは、遺産税まで免除してくれるものではない

アメリカに資産を保有する人が亡くなった際、その遺産分配のために「プロベート」という手続が必要になります。しかし、不動産についてはプロベートを回避する手段として、「TODD」を活用する方法があるということを、前回の記事でご紹介しました(『アメリカ不動産オーナー必見!相続時の所有権譲渡を容易にする「TODD」とは?』参照)。

 

このTODDですが、相談を受けたときにいちばん多く寄せられる質問が、

 

「これでアメリカの遺産税(相続税)も支払う必要はありませんね?」

 

というものです。

 

残念ながら、その答えはNoです。TODDは煩雑なプロベートを経る必要なく、あらかじめ指定した受取人に所有権の移転を可能にする制度です。しかし、その相続にかかる遺産税まで免除してくれるものではありません。

 

TODDと遺産税は無関係、とぜひ覚えてください。以前執筆した記事、『アメリカ在住の親族が死亡…現地の相続手続き「プロベート」における現地弁護士の報酬目安』でも述べたように、アメリカで遺産税を支払う義務が発生するかどうかは、日米租税条約の定めに従った控除額を計算して、慎重に判断するようにしましょう。

TODDは、アメリカ全州で使えない点にも注意

次に、TODDはアメリカ全州で使えるわけではありません。TODDが使える州と使えない州を以下まとめましたのでご参考ください。ちなみに、カリフォルニアでは、一時期TODDを廃止する議論が州政府で行われていましたが、最近、2032年までTODDが制度として存続することが決まりました。

 

[図表]TODDが使える州、使えない州の例

 

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