※画像はイメージです/PIXTA

相続税の計算では、市街地の土地の価額を路線価で評価します。しかし、東京地方裁判所は令和元年8月に、路線価による評価と実際の取引価格が大きく異なる場合には、路線価による評価を否定する判断をしました。そこで相続税で路線価による評価が否定されることになった背景と、相続税対策への影響について解説します。

「路線価否定の判決」が「相続税対策」に及ぼす影響

相続税申告で路線価による評価を否定した判決は、税の専門家の間でも驚きをもって受け止められました。

 

専門家が特に驚いたのは、マンションの購入が相続の2年~3年前であって、相続の直前ではなかったにもかかわらず国税当局による指摘の対象になったことでした。

 

東京地裁は、今回の事案について、マンションの購入時期よりも、路線価と不動産鑑定評価額の差異、相続税対策を目的とすると記された銀行の内部文書、マンションの売却時期など、さまざまな事情から総合的に判断したものとみられます。

 

この判決によって、路線価による評価が否定されるリスクが明らかになりました。不動産を活用した相続税の節税対策では、今後、特に以下のような点に注意する必要があります。

 

・できるだけ早期から節税対策に着手する

・行き過ぎた節税対策は税務当局の指摘の対象になる可能性(リスク)を考慮する

・相続してすぐに相続財産を売却しない

・財産の評価について「著しく不適当」とみなされる状況がないか慎重に確認する

 

なお、今回の事案については相続人が控訴しているため、東京地裁の判決が最終的な判断となるわけではありません。今後の裁判のゆくえが注目されます。

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    本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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