「天井から水滴ぽたぽた」は末期症状
「雨漏り」と聞くと、天井からぽたぽたと水滴が垂れているような場面を想像する人が多いのではないでしょうか。雨漏りとは、住宅内に雨水が浸入することを意味しています。浸入した雨水は、梁など住宅のさまざまな部位を伝ってどこかに流れ出ようとします。つまり、ぽたぽたし始めたときというのは、この雨水が室内にその姿を見せた状態であり、末期症状ともいえるのです。
万が一、自宅で雨漏りが発生しているのに気づいたときは、前項の「劣化した外壁を放置していると起こる『怖い』こと」で挙げたような2次被害を防ぐために応急処置を施す必要があります。
専門知識のない方にできる応急処置は、ブルーシートで屋根を覆う、落ちてくる雨水をバケツで受け止める、吸水シートで水を吸い取る、といった程度に限られます。この範囲を超え、間違った方法で処置をすると、かえって被害を大きくしてしまう場合があります。ここでは「やってはいけない処置方法」を紹介します。
安易に「雨漏りの発生箇所を塞ぐ」のは最悪の手段
<NG処置方法①:原因を特定せずに補修しようとする>
雨漏りの原因がハッキリしている場合は問題ありませんが、原因が分からないまま補修を行うと、かえって事態を悪化させてしまうことがあります。また雨漏りは、発生箇所が1ヵ所でも、その原因が2つ以上重なっていることもあります。数ある原因の1つだけを解決して満足してしまうと、それ以外の原因を見逃すことになり、雨漏りを放置していたのと同じ結果を招くことになります。
<NG処置方法②:室内からシーリングを行う>
窓サッシなどから雨漏りがしてくる場合、内側から雨漏り箇所を塞いでしまえばいいと考えるのは危険です。雨漏りしてくる隙間を埋めてしまえば確かに水がたれてくることはなくなりますが、行き場を失った雨水は別のところに流れていく恐れが出てきます。壁内部に雨水が溜まって木材が腐敗してしまう原因になることもあります。
<NG処置方法③:外側から隙間を塞ごうとする>
室内からのシーリングがダメなら外側から隙間を塞いでしまえばいいと考えるのも危険です。雨漏りの原因となる隙間を埋めるのは問題ありませんが、排水のためにあえて空けている隙間も埋めてしまうと、雨水の逃げ道がなくなってしまって、大きな問題を生んでしまいます。結露の逃げ道がなくなったり、雨水が滞留したりして逆に雨漏りがひどくなることもあります。素人が排水口の位置をしっかりと把握するのは難しいので、オススメできません。
<NG処置方法④:釘を打つ>
屋根材や外壁に直接釘を打ち込むのもやめましょう。補修のために打ち込んだ釘が、雨漏りの原因となる隙間になってしまう場合があります。浮いている釘を打ち込むだけなら問題ないと思うかもしれませんが、これも危険です。むやみに釘を打ち直すと釘穴を広げてしまい、さらに雨漏りが悪化してしまうこともあります。自分で直そうとせず、専門業者に依頼しましょう。
輿石 雅志
株式会社ドアーズ 取締役社長
外壁診断士、外壁アドバイザー
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