外壁の「小さなひび割れ、汚れ」を放置してはいけない
念願のマイホームを手に入れて喜んでいられたのもつかの間、住宅をめぐるトラブルが後を絶ちません。住宅に起こるトラブルは、そのほとんどが屋根や外壁の傷みによるものです。
屋根や外壁の劣化症状にはさまざまなケースがありますが、もしかしたら、「小さなひび割れだし、まだ大丈夫」と見て見ぬふりをしてきた人もいるかもしれません。
しかし、今は些細なひび割れや汚れも、放置していると将来的に恐ろしい事態に発展しかねません。ここでは、外壁の劣化症状を放置していると起こる、4つの「怖いこと」を紹介します。
「外壁の劣化」がもたらす4つの怖いこと
【怖いこと①:雨漏りの発生リスクが高まる】
住宅にとって、もっとも厄介なのは雨です。雨水は、ヘアクラックと呼ばれる髪の毛程度の細いひび割れからも浸入しますが、屋根や外壁はこうした水の特性を理解したうえで作られています。また、万が一、水が浸入したとしても、その次には防水フィルムの層があって、二段階構えで備えています。最前線で雨水の浸入を防いでいるのが、外壁や屋根の塗料なのです。
しかし、外壁や屋根の塗料が劣化して剥がれると、外壁材・屋根材そのものにダメージが及びます。いずれはそこが雨水の浸入口となり、建物自体が傷んでしまうのです。
【怖いこと②:雨漏りが2次災害(シロアリ・カビの発生)を引き起こす】
浸入した雨水は住宅の内部に湿気をもたらし、やがてカビを発生させます。カビは、ぜんそくやアレルギーの原因となってしまうこともあり、住人の身体にも悪影響を及ぼします。
また、とくに木造住宅では、木が腐ってシロアリを呼び込むことにもなりかねません。朽ちた木というのは、シロアリにとって一番の大好物です。一度そこに巣を作られてしまうと、駆除するためには莫大な費用がかかります。シロアリが住宅の構造体を食べ始めれば、建物自体が倒壊するリスクも高まります。耐震性が大きく損なわれ、住み続けるのは困難になってしまうかもしれません。
【怖いこと③:全体補修となれば莫大な修理費がかかる】
0.3mm以下程度の小さなひび割れなら、自分でも修理できるほどですから、補修にはそこまで大きな費用はかかりません。しかし、時間の経過とともに傷が広がって雨漏りが発生したりシロアリが発生してしまったりすると、専門業者による大規模な補修工事が必要になります。
早期に対処すれば数万円で済んだはずの補修費用が、「小さなひび割れだから」と放置した結果、数十倍に跳ね上がってしまう恐れがあるのです(図表1、2)。
【怖いこと④:家の寿命が短くなる】
小さな劣化症状を放置していると起こるもっとも恐ろしいことは、住まいの構造体がダメージを受けることです。例えば柱や梁の腐食やシロアリ被害に遭った場合、程度によっては部分補修では対応しきれない場合があり、ひどければ住まいの寿命が尽きてしまうことにもつながります。最悪の場合、建て替えという事態にも発展しかねません。