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事業承継には「オペレーティングリース商品」を活用
オペレーティングリースとは、産業用資産などで用いられるリース方式のことです。航空機や船舶など、数十億から数百億円になる高額な産業用資産を購入し、オペレーティングリースによって貸し出すことで収益化するというビジネスへの出資を、小口化(1口1000万円など)して投資商品化したものが、オペレーティングリース商品です。
その仕組みを簡単にまとめると、まずオペレーティングリース商品の販売会社が匿名組合を組成します。投資家は匿名組合に出資します。組合はあわせて銀行から融資も受け、その資金で航空機会社から航空機を購入して、航空会社にリースします。
匿名組合は、受け取ったリース料から得られる収益を投資家に分配します。投資期間は7~10年程度で、その期間全体としては、リース収益額と出資金額に応じて、一定の投資収益が得られます。
では、このオペレーティングリース商品がなぜ効果があるのでしょうか? それは、定率法による減価償却の仕組みが関係しています。定率法では、最初の年度に大きく減価償却費が計上され、以後、計上金額が減っていきます。
例えば10億円の資産購入に対して初年度に7億円、2年目に3億円の減価償却費を計上するといった具合に、投資期間の初期に大きく計上できます。
一方、リースから得られる収入は、投資期間を通じて毎年一定です。融資を受けてレバレッジをかけていること、法定耐用年数に基づきリース期間を設定していることなどにより、初年度には減価償却費がリース収入を大きく上回り、大きなマイナス(赤字)が計上されます。
この赤字は、出資額に応じて按分され、出資した会社において、会計上は費用、税務上は損金として計上されます。つまり、利益(所得)が減るのです。
なお、毎期の減価償却費が減少していくにつれて、リース事業が順調に進めば毎年利益(所得)が生じます。その分は課税されるので、トータルとして見れば「節税商品」というわけではありません。
オペレーティングリース商品には注意点もあります。まず、事業への投資なので事業リスクがある点です。実際、コロナショックの2020年には航空会社の経営破綻があり、その後も長期にわたって航空機の需要は低迷しています。
また、海外で組成される商品が多く、その場合は収益に為替リスクが存在することも、覚えておいたほうがいいでしょう。
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