最近話題の「マイナス金利」って何?
Q3.「金利といえば、最近マイナス金利が話題になっています。このマイナス金利ですが、どのようなものかご存知ですか?」
⇒A. 通常、預金には利子がつきますが、マイナス金利の場合、逆に金利・手数料を取ることを意味します。つまり、お金を借りたのに利息を払わなくてもいいという金利の常識を覆すものです。
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<解説2>金利の種類(前項からの続き)
(6)公定歩合と無担保コールレート(オーバーナイト物)
公定歩合は、日本銀行が市中金融機関に直接資金を貸し出す際の基準金利です。かつては政策金利として重要な位置を占めていましたが、現在ではそうした意味合いが失われています。現在、日本銀行では「基準割引率および基準貸付利率」という名称を使用しています。
一方、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、金融機関が無担保で借り約定した翌日に返済を行う際の金利です。コール市場は、金融機関相互の資金繰りを最終的に調整し合う短期金融市場で、日本銀行の金融調節の影響力が及びやすい市場と言えます。
(7)オファードレートとビッドレート
金融取引の資金市場では、「資金を出したい」出し手と、「資金を取りたい」取り手がそれぞれ金利を呈示しています。資金の出し手が呈示する金利がオファードレート(OFFERED RATE)、取り手が呈示する金利がビッドレート(BID RATE)です。
出し手は、できるだけ高い金利を希望し、取り手はできるだけ安い金利を希望します。そこで、通常、オファードレートはビッドレートより高く、双方のレートが合致したところで取引が成立します。
(8)タイボー(TIBOR)とライボー(LIBOR)
タイボー(TIBOR)は、TOKYO INTERBANK OFFERED RATEの略称で、東京銀行間取引金利のことです。東京金融市場で呈示された出し手サイドの銀行間取引金利で、全国銀行協会(全銀協)が算出し、国内の貸出市場等で基準金利として利用されています。
一方、ライボー(LIBOR)は、LONDON INTERBANK OFFERED RATEの略称で、ロンドン・オフショア市場で呈示された出し手サイドの銀行間取引金利です。主要通貨建てのほとんどが呈示され、国際金融市場における短期金利の指標として利用されています。
(9)マイナス金利
預金などには通常、プラスの利息が付きますが、預金者に手数料を課すことで、預金すると元本が目減りする状況を指します。通常は、お金を預けることにより利息を得ることができますが、マイナス金利の場合、お金を預けると金利分の支払が生じてしまうのです。
もう1つ、中央銀行が政策的に金利をゼロ%よりも低い水準にするという意味もあります。そうすると、民間銀行は多くのお金を中央銀行に預けておくと損するので、必然的に世の中に出回るお金の量が増え、家計や企業にとってお金を使いやすい環境を整うというわけです。
今、わが国でも長期にわたってこの政策が実施されています。
大村 博
FXソリューションズ代表、外国為替コンサルタント
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