「円高による損失」と「通貨の交換手数料」に留意
Q1.「外貨預金とは、外国通貨建ての預金です。どのような種類の預金があり、どのような金利が付くのでしょうか?」
⇒A. 外貨預金には、普通預金と定期預金の2種類あります。金利は、当該通貨の東京ドルコール市場やユーロ市場などの市場金利を参考に決められます。
<解説1>外貨預金の特徴
外貨預金とは、文字通り、米ドル(USD)やユーロ(EUR)、英ポンド(GBP)、スイスフラン(CHF)、オーストラリアドル(AUD)などの外国通貨で預け入れる預金のことで、外貨普通預金、外貨定期預金の2種類があります。仕組みは国内円の場合と同じですが、外貨で出し入れするという点が異なります。いつでも引き出せる外貨普通預金と、外貨普通預金より通常金利が高く、一定期間預け入れる外貨定期預金があり、目的に応じて使い分けることができます。
外貨預金の金利は、各国の金利水準が反映されます。つまり、金利の高い国の外貨預金をすることによって、多くの利益を得ることができます。また、預入時よりも円安の為替相場で外貨を円に替えれば、為替差益を得ることもできます。しかし、逆に円高になれば為替差損を被り、最悪の場合、元本割れになる恐れがあります。もう1つ、円を外貨に交換したり、外貨を円に交換する際には必ず為替手数料が掛かるので、それだけで元本割れになる可能性もあります。
以上から、外貨預金を運用する際には、外貨安・円高による為替差損があること、外貨を交換する際には、必ず為替手数料が掛かることの2点に留意する必要があります。もう一つ、上記の為替変動リスクと元本割れリスクがあるため、預金保険の対象になっていないことにも留意する必要があります。
<解説2>外貨預金の種類
(1)外貨普通預金
出し入れ自由で、利息が付きますが、現在は日米欧などの超低金利政策により、一部の通貨を除いてほとんど無利息の状態です。それでも外貨での運用または外貨での決済手段として、多くの企業や個人が利用しています。主な取扱通貨には、米ドル、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、オーストラリアドルなどがあり、適用金利は各通貨の市場金利を参考に決定されます。
(2)外貨定期預金
預入期間を定めて、その期間中の払出しを認めない預金です。預入期間は、たとえば3ヵ月、6ヵ月、1年、●月●日~XX月XX日など、自由に設定できます。取扱通貨は外貨普通預金と同じですが、それ以外の通貨でも金融機関の判断で取り扱うことは可能です。金利は、東京ドルコール市場やユーロ市場などの金利を参考に決定され、各金融機関とも独自の金利を適用しています。