(※写真はイメージです/PIXTA)

経済のグローバル化に伴い、国際金融の重要性が急激に高まっています。国際金融取引には必ず為替変動リスクが伴うという意味では、「外国為替取引」は国際金融の代表格と言えるでしょう。国内金融取引だけでは対応できない時代だからこそ押さえておきたい、外国為替取引の種類やリスクヘッジの方法を解説します。※本連載は、大村博氏の著書『Q&Aでサクサクわかる金融の世界』(ビジネス教育出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

国際金融の代表格…「外国為替取引」の種類

Q1.「外国為替取引の種類には、貿易取引や貿易外取引、資本取引などがあります。さらに貿易取引の中に仲介貿易という取引がありますが、どのような取引でしょうか?」

 

⇒A. たとえば、日本の貿易商社が外国相互間での貨物の移動及び代金決済について売買契約の当事者となる取引を言います。

「物(商品)の輸出入」を対象とする取引

<解説1>貿易取引

外国と物(商品)やサービスの売買を行う際、さまざまな慣習や国際ルールが介在するため、細心の注意が必要です。また、貿易取引には、外国へ物を販売する輸出取引や外国から物を仕入れる輸入取引のほか、三国間で輸出入取引を行う仲介貿易取引があります。

 

(1)輸出取引

日本の輸出業者が、外国の輸入業者との売買契約に基づいて、海外の企業に商品や原材料を販売し、その輸出代金を回収するまでの一連の流れを輸出取引と言います。たとえば、日本から米国に自動車を輸出する取引が、その典型です。

 

(2)輸入取引

日本の輸入業者が、外国の輸出業者との売買契約に基づいて、海外から商品や原材料を仕入れ、その輸入代金を決済するまでの一連の流れを輸入取引と言います。たとえば、中国やベトナムなどから日本へ繊維製品を輸入する取引が、その典型です。

 

(3)仲介貿易取引

外国の輸出者と外国の輸入者との貿易を、日本の業者が仲立ちする取引を仲介貿易取引と言います。この場合、売買契約は輸出者と日本の仲介業者、輸入者と日本の仲介業者との間で交わされ、商品は直接、輸出者から輸入者に宛て輸出されることになります。また、代金は輸入者から日本の仲介業者に支払われ、さらにその仲介業者が海外の輸出者に代金を支払うので、その差額が日本の仲介業者の儲けとなります。たとえば、日本の貿易商社が仲介し、タイの会社が生産した自動車を欧州の貿易商社に輸出する場合などが、その典型です(図表1)。

 

[図表1]仲介貿易の典型例

 

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Q&Aでサクサクわかる 金融の世界

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