(※写真はイメージです/PIXTA)

ここ数年間の円相場は1米ドル=100~115円のレンジで推移していますが、世界的な経済の低迷やコロナ禍、超金融緩和政策など様々な不安要素が顕在化しつつある中では、今後も相場が乱高下しないとは言い切れません。米ドルと円相場の歴史を振り返ってみましょう。※本連載は、大村博氏の著書『Q&Aでサクサクわかる金融の世界』(ビジネス教育出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

そもそも「外国為替相場」とは…

Q1.「為替相場とか為替とか相場はいくらといった場合、ほとんどの人が105円とか110円とか答えますが、正式には外国為替相場のことです。外国為替相場とは一体何なのでしょうか?」

 

⇒A. 外国為替相場とは、自国通貨と外国通貨の交換比率です。具体的には、1米ドル=110円とか、1ユーロ=120円などの外国通貨(商品)の値段になります。以下、詳しくみていきましょう。

外為相場とは、米ドルやユーロという「商品」の値段

<解説1>外国為替相場とは?

為替(EXCHANGE)とは、隔地間の金銭債権・債務または資金の移動を現金の輸送によらず、銀行などの仲介により行う仕組みだということは、すでに説明しました。その際、使用する通貨は、内国為替では日本円ですが、外国為替の場合は、異なる国と国の間の資金移動のため、通常、外国通貨を使用します。

 

たとえば、輸入者は円貨を外貨に、輸出者は受け取った外貨を円貨に、それぞれ銀行などを介して交換(=売買)する必要があります。銀行などは、こうした顧客との間で外貨の売買を行うことになるわけですが(図表1、2)、その際、必ず使うことになるのが「外国為替相場」(以下、「外為相場」)です。つまり、外為相場とは、異なる通貨間の交換比率であり、いわば米ドル、ユーロ、英ポンドという商品の値段と言えます。

 

[図表1]銀行の売取引

 

[図表2]銀行の買取引

 

<解説2>外為相場の表示方法

この表示方法ですが、通常は、「外国通貨1単位いくら」といった方式で表示されます。具体的には、「1米ドル=100円」「1ユーロ=120円」「1英ポンド=140円」といった具合です。

 

たとえば、八百屋の店先に「りんご1個=100円」と値段が表示されるのと同じように、外国通貨も1つの商品とみなして表示されます。つまり、青果店が青果市場からりんごを仕入れて、一般消費者に売るという商売を同じ理屈で、銀行なども外為市場から外貨(たとえば、米ドル)という商品を仕入れて顧客に売る商売をしているのです。

 

ただし、外為取引の場合、銀行などは顧客に外貨を売るだけではありません。顧客から外貨を仕入れ、それを外為市場で売るという商売も行っています。

 

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Q&Aでサクサクわかる 金融の世界

Q&Aでサクサクわかる 金融の世界

大村 博

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