(※写真はイメージです/PIXTA)

預金、貯金、貯蓄…それぞれ何が違うのか、答えられますか? どれも「お金を貯める行為」に該当しますが、概念的には異なります。身近でありながら意外と知らない金融知識について見ていきましょう。※本連載は、大村博氏の著書『Q&Aでサクサクわかる金融の世界』(ビジネス教育出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

最も身近な「金融商品」といえば預金・貯金だが…

Q1.「金融商品というと、最初に思い浮かぶのが預金・貯金だと思います。預金・貯金とは、どういう商品なのでしょうか?」

 

⇒A. 都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、信託銀行、商工組合中央金庫、ネット銀行などにお金を預ける商品を預金、ゆうちょ銀行(郵便局)、農業協同組合、漁業協同組合などにお金を預ける商品を貯金と言います。

「預金・貯金・貯蓄」の違い…答えられますか?

<解説1>預金とは?

銀行などの金融機関にお金を預けることを預金と言います。全国各地にある預金取扱金融機関の店舗、いわゆる本支店で利用できます。都市銀行や地方銀行、信用金庫、信用組合、信託銀行、商工組合中央金庫、そしてデジタル化の進展に伴い急成長しているネット銀行などで取り扱っています。代表的な預金をあげると、普通預金や定期預金、積立預金、当座預金、通知預金、納税準備預金、譲渡性預金(CD)、そして外貨預金などがあります。

 

<解説2>貯金とは?

預金のほかに、貯金という言葉もよく耳にします。これはゆうちょ銀行(郵便局)や農業協同組合、漁業協同組合などで使用される用語で、利用面において預金と実質的な違いはありません。一般的に預金は、金融機関にお金を預けて運用してもらう行為で、貯金はお金を預けて運用してもらい、さらに預けた金額よりも増やすと言われています。つまり、貯金の方がお金を貯めるという行為を幅広く表しており、預金はこの貯金に含まれると考えられています。

 

<解説3>貯蓄とは?

預金や貯金よりさらに幅広い意味で使われるのが貯蓄という言葉です。貯蓄とは、預金を含めた貯金にとどまらず、金銭以外の形を持ったすべての金融資産(たとえば、株式、債券、保険など)を意味します。体系的にまとめると、以下のようになります。

 

①預金:銀行や信用金庫、信用組合、商工中金、ネット銀行などの金融機関にお金を預けること。具体的には、普通預金、定期預金、積立預金、外貨預金などが該当します。

 

②貯金:ゆうちょ銀行や農業協同組合、漁業協同組合などにお金を預けること。その他、貯金箱の小銭、タンス貯金なども該当します。

 

③債券:証券会社、投資信託会社、投資顧問会社などの金融機関にお金を預けること。具体的には、株式、国債、地方債、社債、投資信託、FX(外国為替証拠金取引)などが該当します。

 

④保険:生命保険会社などの金融機関にお金を預けること。具体的には、生命保険(外貨建ても含む)、個人年金保険、学資保険、終身保険などが該当します。

 

上記以外にも、世界経済の低迷や日米欧の金融緩和などから人気を集める金やプラチナなど、地金商が取り扱う貴金属に投資する純金積み立てなども広義では貯蓄と言えます。このように貯蓄の概念は預金や貯金よりも広く、金融商品に投資商品を加えたものと言えます。

 

【参考】金(ゴールド)の主な魅力

1.有事のリスクを軽減する(紛争やテロなどの影響を受けづらい)

2.暴落するリスクを軽減する(債券や株式に比べて経済情勢や企業の業績に影響を受けづらい)

3.投資リスクを軽減する(不動産や骨董・美術等に比べて資産価値が安定している)

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Q&Aでサクサクわかる 金融の世界

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