(※画像はイメージです/PIXTA)

50代はご自身の体調や周囲の環境の変化により、「実る人」「枯れる人」の分かれ目となる時期です。50代で見極める必要があるのがスケジュールだという。怖いのは、予定がやみくもに埋まっている=活躍しているという錯覚だという。※本連載は松尾一也著『50代から実る人、枯れる人』(海竜社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

これこそ反復とズレの象徴的な出来事で、家族にとっては、いて当たり前の母親が、ある日を境に二度と逢えない人となるということを教えてくれます。

 

つまりずっと反復していること、ズレが生じ始めていること、それに気づけるかどうかの問題です。

 

50代はそんな微差を感じられる感性が大切です。

 

世の中、形あるものはすべて壊れる、消える運命なのです。

 

必ず終わりが来るものです。

 

そんな深い洞察力を持ちたいものです。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

「無事な毎日」これに勝る素晴らしいことはない

▼枯れる人=地平線の向こうに幸せがあると信じている

 

あるとき、休日に家族で河口湖に富士山を眺める旅に出ました。湖のほとりのオープンテラスの席で妻と娘と愛犬と美味しいランチを食べながらも、ふと頭の中で「帰り道、渋滞していないかな」「来週、決算書をまとめないといけないな」と考えていました。

 

どんなに考えても私にとって、愛する家族とキレイな環境に包まれているそんな幸せなシチュエーションなんてないのに、どうして人の思考はどこか遠くへ飛んでしまうのでしょうか。

 

「今、ここ、自分」を味わえないとは、ホントにバカです。

 

まさにチルチルミチルの青い鳥症候群で、目の前のかわいいタンポポを愛でずに、遠く離れたフラワーパークの開花予想ばかり気にしている生き方です。

 

「しあわせとは毎日事を普通にこなせること」

 

私の大事な友人で、人事コンサルタントの中野裕弓さんのメッセージです。

 

毎日事とは……。

 

朝、普通に目が覚めて、家族と「おはよう!」の挨拶を交わし、顔を洗い、仕事に出掛け、無事に仕事を終えて、自宅に帰り、冷えたビールを飲みながらNHKニュースを観る。本を読み、そしてまた寝床へ向かう。

 

特別大きなドラマや賞賛が舞い込むわけではないけれど、当たり前に日常を繰り返せることです。

 

こうした毎日の中に、実は大きな幸せに包まれているということを、あらためて実感できるのも50代の特権だと思います。

 

無事な毎日、これに勝る素晴らしいことはありません。

 

「あ〜、幸せ〜」と毎日、寝る時につぶやいてみましょう。

 

松尾 一也
株式会社ルネッサンス・アイズ

 

 

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