寝る時間なのに「もう1冊読んで」…正解の対応は?
夜寝る前の絵本タイムを、楽しみにしているお子さんは多いでしょう。親にとっても楽しい時間です。もう1冊もう1冊と読むうちに、寝る時間が来てしまいました。そんな時に、「もう1冊読んで」とお子さんからせがまれたら、あなたはどうしますか。
「もう寝る時間だから絵本は明日にしましょう」と言って電気を消しますか。それとも、「じゃあ、もう1冊読みましょう」と言ってもう1冊読みますか。
この場合、どちらが正しいとも言えません。時間どおりに寝ることは大切なことだし、子どもにとって絵本タイムは幸せなひとときです。
そんな時私は、「天秤にかける」ことをします。「絵本をもう1冊読んで少し遅くなるけれど子どもが喜ぶ」ことと、「時間どおりにきっちり寝て、明日の朝はすっきりと起きる」ことを天秤にかけて、自分と子どもにとってどちらが大切かを判断するのです。自分の子育ての軸がしっかりしていたら、すんなりとどちらかを選ぶことができます。
私の場合は、「寝る時間を守る」をいつも優先していました。次の日の朝のスタートをスムーズにしたかったからです。もちろんそれが絶対的に正しいわけではありません。子どもたちは夜寝る時には、「もう少し絵本を読んでいたかった」という不満を抱えながら眠りについていたのかもしれません。
いずれにしても大切なのは、「子育てにベストはない」ことを受け入れることです。絵本を満足するまで読んで、早く寝て、翌朝すっきり起きる、これらをすべて満たすのは至難の業だと思います。
それでもベストを目指そうとすると、どんどん自分を追い込んでしまい、苦しくなるばかりです。それよりも、「ベター」で満足することを覚えたほうが、親も子も幸せになれます。
「天秤にかける」思考法は、子育てだけではなく、日常生活でも使えます。例えば、目の前においしいケーキがあるとします。もちろん「食べたい」という気持ちになります。しかし、食べたいという本能だけで、いつも食べたいものを食べたいだけ食べていると、病気になってしまいます。
だから、ケーキを目の前にして天秤にかけてみましょう。「食べたらどれくらい幸せになれるか」と「健康に及ぼす影響」を天秤にかけるのです。これが無意識のうちにできるようになると、「この1週間ケーキを食べる機会が多かったので、今日はやめておこう」という判断が無理なくできるようになります。
自分が行動する時に、「天秤にかける」を常にチェックするようになると、無駄な行動や後悔する行動が少なくなります。たまには、やらなくてはならないことを「あえてやらない」判断をすることがあるかもしれません。
たとえそうであっても、それが天秤にかけた結果やらないことを自分で選んだのなら、後悔することはないのです。普段から「ああすればよかった」「こうすれば失敗しなかったのに」と後悔することが多い人は、ぜひ自分の心の中の天秤を意識してください。
河村 京子
母学アカデミー代表
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