(写真はイメージです/PIXTA)

長男は東京大学に現役合格、次男は京都大学に現役合格、長女はロンドン大学UCLに現役合格……母学アカデミー代表の河村京子氏の書籍『教えない子育て 正解のない時代に「実践できる子」を育てる』(日本法令)から一部抜粋・編集し、メディアで紹介されるような「子育てのノウハウ」を真似するだけでは育児はうまくいかない理由を解説します。

寝る時間なのに「もう1冊読んで」…正解の対応は?

夜寝る前の絵本タイムを、楽しみにしているお子さんは多いでしょう。親にとっても楽しい時間です。もう1冊もう1冊と読むうちに、寝る時間が来てしまいました。そんな時に、「もう1冊読んで」とお子さんからせがまれたら、あなたはどうしますか。

 

「もう寝る時間だから絵本は明日にしましょう」と言って電気を消しますか。それとも、「じゃあ、もう1冊読みましょう」と言ってもう1冊読みますか。

 

この場合、どちらが正しいとも言えません。時間どおりに寝ることは大切なことだし、子どもにとって絵本タイムは幸せなひとときです。

 

そんな時私は、「天秤にかける」ことをします。「絵本をもう1冊読んで少し遅くなるけれど子どもが喜ぶ」ことと、「時間どおりにきっちり寝て、明日の朝はすっきりと起きる」ことを天秤にかけて、自分と子どもにとってどちらが大切かを判断するのです。自分の子育ての軸がしっかりしていたら、すんなりとどちらかを選ぶことができます。

 

私の場合は、「寝る時間を守る」をいつも優先していました。次の日の朝のスタートをスムーズにしたかったからです。もちろんそれが絶対的に正しいわけではありません。子どもたちは夜寝る時には、「もう少し絵本を読んでいたかった」という不満を抱えながら眠りについていたのかもしれません。

 

いずれにしても大切なのは、「子育てにベストはない」ことを受け入れることです。絵本を満足するまで読んで、早く寝て、翌朝すっきり起きる、これらをすべて満たすのは至難の業だと思います。

 

それでもベストを目指そうとすると、どんどん自分を追い込んでしまい、苦しくなるばかりです。それよりも、「ベター」で満足することを覚えたほうが、親も子も幸せになれます。

 

「天秤にかける」思考法は、子育てだけではなく、日常生活でも使えます。例えば、目の前においしいケーキがあるとします。もちろん「食べたい」という気持ちになります。しかし、食べたいという本能だけで、いつも食べたいものを食べたいだけ食べていると、病気になってしまいます。

 

だから、ケーキを目の前にして天秤にかけてみましょう。「食べたらどれくらい幸せになれるか」と「健康に及ぼす影響」を天秤にかけるのです。これが無意識のうちにできるようになると、「この1週間ケーキを食べる機会が多かったので、今日はやめておこう」という判断が無理なくできるようになります。

 

自分が行動する時に、「天秤にかける」を常にチェックするようになると、無駄な行動や後悔する行動が少なくなります。たまには、やらなくてはならないことを「あえてやらない」判断をすることがあるかもしれません。

 

たとえそうであっても、それが天秤にかけた結果やらないことを自分で選んだのなら、後悔することはないのです。普段から「ああすればよかった」「こうすれば失敗しなかったのに」と後悔することが多い人は、ぜひ自分の心の中の天秤を意識してください。

 

 

河村 京子

母学アカデミー代表

 

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教えない子育て 正解のない時代に「実践できる子」を育てる

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河村 京子

日本法令

教えないからこそ、自分で考え、自分で行動する子に育つ! 教えれば教えるほど、子どもが自分で考える機会を奪っている!? 新しい時代に生きる子どもたちを、どう育てていけばよいのか。答えのない時代を生き抜くためには「…

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