子どもの「やる気」に差が!?…親の適切な愛情表現とは
今日はお給料日、財布には十分なお金が入っています。そんな日は、楽しい気分で夕食の買い物ができます。新しいお料理に挑戦する気持ちも起こるでしょうし、珍しい果物に手が伸びるかもしれません。レジの横に募金箱があったなら、お釣りの中から小銭を寄付したくなるでしょう。
反対に、お給料日の前日、財布の中身が乏しい時、お買い物は憂鬱になります。
そんな時に子どもが、
「お菓子買って」
といったなら、つい、
「今日は買いません!」
と強い口調で言ってしまうでしょう。つまり、財布の中のお金の量によって心の余裕や優しさややる気が変わってくるのです。
実際のお財布と同じように、人間は心の中にも財布を持っています。心の財布の中に入っているのは、お金ではなく愛情です。心の財布が愛情で満たされていると、人に優しくなれるし、やる気も湧いてきます。
お誕生日にみんなから、「お誕生日おめでとう」と口々にお祝いの言葉をもらったら心が満たされます。そんな日に怒ったり泣いたりすることはないでしょう。お誕生日にその1年の目標を決めて、やる気に満ちた1年が始まることでしょう。
反対に、夫婦喧嘩をしてしまった日に、イライラしていつもなら気にならない子どもの行動に声を荒らげてしまったことはありませんか。泣きながら寝てしまった子どもの顔を見て、
「あんなに怒ることではなかったのに」
と反省したことは誰でも一度や二度はあるでしょう。これは夫婦喧嘩によって心の財布が空になってしまったから起こることで、ある意味仕方がないことなのです。
大人でも心の財布の満たされ方で、優しさややる気に大きな差が出ます。子どもも同じように心の財布を持っていますから、心の財布の中にある愛情の量で、優しさややる気に大きな差が出ます。
例えば、弟や妹が生まれた場合です。今まで一人っ子だったのにある日突然赤ちゃんが我が家にやってきて、大好きなお母さんから、「今日からお兄ちゃん(お姉ちゃん)だから優しくしてあげてね」と言われます。
今まで自分だけを見てくれていたお母さんは、赤ちゃんに夢中で自分のことは見てくれなくなったように感じます。そうすると心の財布は中身がどんどん減っていきます。心の財布が空になってしまうと、いてもたってもいられなくなります。そうすると子どもはどんな行動に出るのでしょうか。
空の財布を抱えているとイライラが止まらないので、愛情の代わりに「怒り」を入れ始めます。赤ちゃんをわざと叩いたり、わざとおもらしをしたりして、手を焼く行動をし始めます。それでなくても忙しいお母さんは、そんな行動を見ると上の子に怒りをぶつけてしまいます。
上の子はその怒りを自分の心の財布に入れて、寂しさを紛らわすのです。もし上の子が困る行動をした時には、叱るよりもぎゅっと抱っこしてあげたほうが効果的です。
心の財布は外から見ることはできません。でもお母さんがいつも子どもの心の財布の減り具合を気にかけて、愛情を注ぐ意識をしていると子どもは安定します。子どもは心の財布が満たされていると、新しいことにチャレンジしたり、人に優しくなれたりします。
特に子どもが困った行動、手を焼く行動をした時には、すぐさま叱るよりも心の財布に愛情を注いであげたほうが早く落ち着きます。我が子が困った子になってしまったと思う時ほど、心の財布を満たしてあげましょう。
心の財布に愛情を満たすには、スキンシップや「大好き」の言葉かけが大事です。傍目には甘やかしているように見えるかもしれません。
「甘やかすといつまでも自立できない」
と周りから言われるかもしれません。子どもを厳しく突き放したほうが早く自立するように思えるかもしれませんが、結果は逆です。子どもは突き放せば突き放すほど、心の財布の中身が減りますので親にすがりつきます。心の財布をいつも愛情で満たしてあげると、子どもはある時すっと自立していきます。
甘えっ子だった我が子も、中学入学と同時にあっという間に自立していきました。それは見事な変わりようで、まるで蛹から蝶になった姿を見ているようでした。
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