
長男は東京大学に現役合格、次男は京都大学に現役合格、長女はロンドン大学UCLに現役合格……母学アカデミー代表の河村京子氏の書籍『教えない子育て 正解のない時代に「実践できる子」を育てる』(日本法令)から一部抜粋・編集し、子どもが9歳になるまでに親が主導権を握っておくことの重要性について解説します。
子どもに「振り回されない子育て」
■親ハンドル・子ハンドル
あなたは運転免許を持っていますか? 車を運転しますか? 運転免許を取るためには、交通法規や運転技術を学び、試験を受けて合格しなければなりません。
無免許で運転をすると事故を起こす可能性が高いし、交通は大混乱になります。今、私たちが交通事故もほとんどなく、安全に運転できるのは、運転免許がなくては車の運転ができない法律があるからです。
子育てには免許はありません。しかし、母親になって毎日子どもとつきあい、愛情を持って子育てをすると、自然と子育てのスキルが身につきます。
子どもは目の前の快・不快だけで、やる・やらないを判断しますから、子どもにすべてを任せると大変なことになります。
「宿題は嫌だ、やらない」
「ご飯の前でも、今おやつを食べたいから食べる」
「お手伝いは嫌だ、ゲームはずっとやっていたい」
こんな子どものわがままに振り回されることになります。子育てをする時に、親がハンドルを握ると安全な子育てができます。しかし、子どもがハンドルを握ると無免許運転ですから暴走します。事故になってしまうかもしれません。
では、子育ての最初は、どちらがハンドルを握っているでしょうか。実は、最初は子どもがハンドルを握っています。だから赤ちゃんが泣いたら夜中でも、お母さんは起きてあやさなければなりません。
人混みや電車の中でも、子どもは構わず泣き出します。そうすると親は必死で泣きやませなければなりません。子どもに振り回されっぱなしで大変な生活になります。子どもが赤ちゃんの時にはそれも仕方がありません。
でもずっと子どもがハンドルを握ったままだと、親はこの先もずっと振り回されっぱなしになります。高校生になった我が子に、「フロ、メシ、カネ!」と命令されたら嫌ですよね。
子どもが高校生になっても子どもハンドルのままだと、親はほとほと疲れることになります。そうならないためにも、早めに親がハンドルを握ることをおすすめします。