子育てのノウハウ…なぜ真似してもうまくいかないのか
夏になると、アイスクリームがおいしい季節になります。バーのついたチョコアイス、暑い時期に食べるのは、ちょっと難しいですね。周りのチョコはパリパリしていても、中のアイスが溶け出してくるとチョココーティングが崩れて落ちたりします。そんな経験はありませんか。
チョコアイスを食べる時に、私がいつも思うことがあります。「チョココーティングがいくらおいしくても、中のアイスがまずかったり溶けていたりすると台無し」ということです。
ここで強引かもしれませんが、子育てをチョコアイスにたとえてみましょう。周りのチョココーティングは「子育てのノウハウ」です。どの問題集をやらせたら賢い子になるかとか、子どものためになるテレビ番組はAとか。ある有名人が子どもの時にBのおもちゃを使っていた、と聞くとそのおもちゃが売り切れたりもします。
一方、中のアイスクリームは「子育ての軸」です。お母さんが子育てで何を大切にするかという信念とも呼べる部分です。
本やネットに出てくる情報のほとんどは、「ノウハウ」です。すぐに取り入れられそうなノウハウもたくさんありますから、真似してみたことのある方も多いでしょう。でも、いくらノウハウを真似してもうまくいかないばかりか、子どもが嫌がったり、親子でバトルになったりしたことがあると思います。
ノウハウは、あの子には合うけれど、我が子には合わないということがあるからです。あのお母さんにはできても、私にはできないというものもあるでしょう。
そして、ノウハウをいくら真似ても、中のアイス(子育ての軸)がしっかり冷えて固まっていないと、チョココーティング(ノウハウ)は崩れ落ちてしまいます。
「子どもをたくさん抱っこしてあげましょう」と書いてある育児書はたくさんありますが、子どもによってはいつも抱っこしてもらうことで、歩くのが苦手になってしまうこともあるかもしれません。
大事なのは「親の愛情を伝える」ことです。確かに、抱っこすることで愛情を伝えることができます。しかし、お母さんが不機嫌なまま子どもを抱っこしていても十分な愛情は伝わりません。
また、抱っこ以外で十分に愛情が伝わっていれば、腱鞘炎になってまで抱っこする必要はないでしょう。
「どのような気持ちで、どのような信念で抱っこするか」が子育ての軸になります。そんなアイスの部分まで書いてある育児書やネット情報は皆無といってよいでしょう。
また、ひと口でアイスクリームといっても、いろいろな種類があります。原材料の違いによって、ラクトアイス、アイスミルク、アイスクリームがあります。味もお値段も違います。子育ての軸であるアイスクリームをよい原材料を使ってしっかり冷やし固めれば、チョココーティング(ノウハウ)は、自分の好みで選んでよいのです。
ミルクチョコでも、ブラックチョコでも。アーモンドクランチで飾ってもよいし、コーンフレークをかけてもよいでしょう。自分で自由にアレンジできるからこそ、子育ては楽しいのです。人の子育てのノウハウだけを真似ても、苦しいだけで楽しくはないでしょう。
子育ての軸を固めるまでは苦労もありますが、いったんできてしまえば、その後の子育てはオリジナリティーあふれる楽しいものになるでしょう。そんな日が来るよう、おいしいアイス作りに励んでください。
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