(※画像はイメージです/PIXTA)

投資対象としても十分なうまみが得られるフランチャイズ。しかし、その選択には十分な精査が必要です。避けるべきフランチャイズ本部の特徴を詳述します。国内外の大手金融で25年のキャリアを重ね、その後は投資の観点でフランチャイズ業界を研究、自身も複数店舗を経営する古川暁氏が解説します。※本記事は、『フランチャイズ投資入門』(秀和システム)より一部を抜粋・再編集したものです。

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注意が必要な「フランチャイズ本部」の特徴

●フランチャイズと一口に言っても内容は様々

 

フランチャイズ本部といっても、その業態から契約内容まで様々です。「業務内容がことこまかに決まっていて、ほとんど自由度がない代わりに、その通りやっていれば高確率でうまくいく」というものから、「基本的な仕組みを教えてもらって、あとは自由にできる」というものまで、いろいろあります。

 

同じような業態であってもそういった違いによって初期投資額も違ってきたりするため、一概にどんなフランチャイズが良いと言えるものではありません。

 

ただ、「こんなフランチャイズは危ない!」という特徴がいくつかあるので、それについて説明したいと思います。

 

●広告費をかけすぎているのは危険信号

 

まず一つは「広告費をかけすぎているところ」です。

 

広告費をかけすぎてている、というのはまとめサイトで頻繁に特集されていたり、フランチャイズフェアでやたらと大きなブースを持っていたり、雑誌で大きくいつも取り上げられているということを意味します。

 

一見するとこの特徴はむしろ「しっかりしてそう」と思われるかもしれません。しかし、先ほども書いた通り、まとめサイトに掲載するのも、フランチャイズフェアにブースを出すのもお金がかかり、それはそのフランチャイズ本部にとっては「広告費」です。その広告費の分は当然、加盟者が支払う加盟金やロイヤリティに転嫁されることになります。

 

また、考えようによっては「広告を打たなければ加盟者が集まらない」と取ることもできます。もちろん、他の分野を見渡したときに「広告を打っている商品ほど質が悪い」とは言えませんが、フランチャイズにおいてはその傾向があるように思います。

 

●本来は加盟者を増やしすぎない方が本部は儲かる

 

なぜそんな傾向があるのか考えてみると、フランチャイズ本部側の戦略と関わっているように思います。

 

フランチャイズ本部の売上というのは主に2つあります。

 

①オーナーが加盟するときに支払う「加盟金」

②毎月の売上から一定割合もしくは一定額を支払う「ロイヤリティ」

 

例えばフランチャイズに加盟した際にオーナー側が本部側に500万円を加盟金として払い、さらに毎月売上の10%をロイヤリティとして払う、というイメージです。

 

もしあなたがフランチャイズに加盟し、大成功したとします。5年10年とそのビジネスを続けたとき、フランチャイズ本部にとっての売上は①よりも②の方が高くなるのは明らかです。つまり、本部からすれば加盟するあなたのビジネスがうまくいく方が自分たちも儲かる、win-winの関係のはずなのです。

 

逆にせっかく加盟してもらっても、赤字続きですぐに倒産されては儲けになりません。加盟金はそうなったときの本部側のコストを回収するリスクヘッジの意味合いもあります。

 

また、業種やその本部のやり方にもよりますが、加盟者があまりに多すぎては管理しきれなくなります。

 

つまり、基本的には加盟者をとにかく増やしまくって加盟金で儲けるよりも、少数のオーナーにたくさん稼いでもらうことでロイヤリティをもらうビジネスモデルの方が、フランチャイズ本部にとっては確実なビジネスと言えるはずなのです。

 

●中には加盟金目的のフランチャイズもある

 

ただ、いざ加盟したときにそのオーナーが成功する確率というのは、ビジネスモデルの優秀さに相関します。

 

第2章でX軸(ビジネスモデル)とY軸(自分の能力)という話をしましたね。オーナー目線で考えれば、X軸については選ぶことはできても値を変えることはできないため、自分の頑張り次第でいくらでも変えられるY軸を伸ばす努力をすべきだ、という話をしました。

 

これを逆にフランチャイズ本部の目線で考えると、加盟するオーナーを成長させるというのは簡単ではありませんから、「誰でも成功するようなビジネスモデルとマニュアル」を作る方が目標としてふさわしいはずです。

 

とはいえ、それを作るのは容易ではなく、フランチャイズをはじめてみたものの加盟店舗が全然うまくいかない……ということはあり得ます。そうなった本部が考えるのが「ロイヤリティを見込むのが難しいから、新しい加盟者を増やして加盟金で儲けよう」ということなのです。

 

●うまくいっているフランチャイズは広告をあまり出さない

 

おわかりでしょうか。ロイヤリティ型でうまくいっているフランチャイズというのは、加盟者を無限に増やし続ける必要がないため、広告にそこまで力を入れないケースが多いのです。

 

もちろん、高確率でうまくいくフランチャイズならば既存オーナーの増店や口コミで店舗数を増やしていけるという事情もあります。

 

逆にガンガン広告をかけるというのは、常に新規加盟オーナーを募っているということ。絶対、とは言えませんが、加盟者の生存率に難があるのではないか……と考えてみるきっかけにして良いと思います。

 

●広告内容を見ればどんなオーナーを探しているかがわかる

 

加盟金で儲けたいと思っているフランチャイズ本部の気持ちになって考えてみると、頭がよくビジネススキルの高いオーナーは別に必要ありません。ロイヤリティ型で収益を出すだけのビジネスモデルがないから加盟金型の営業をしている本部からすれば「ちゃんと収益を出せるビジネスモデルなのか?」と考えしっかり分析をしてくるオーナーなど面倒な客でしかありません。

 

それよりもすぐに契約してくれる、悪い言い方をすれば騙しやすいオーナーを集客する方が売上が立ちやすくなります。

 

その手段としてよく使われるものの一つが誇大広告です。

 

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こんな風に、冷静に考えれば「そんなうまい話あるか!」と言いたくなるような広告を出している場合は、そのように冷静に考える能力のない人を集客することで効率よく加盟金を集める戦略である可能性があります。

 

クオカードの話にしても同じです。「来ていただいた方には黒字比率や開店数・閉店数の推移グラフをお見せします」というよりも「クオカードをプレゼント」と言って集まる人の方が、営業をかけやすいのです。

 

●営業マンの姿勢にも要注意

 

同じような理屈で、営業マンが前のめりに営業してくる本部というのも注意する必要があるでしょう。ビジネスモデルという中身ではなく、営業力で売上を伸ばそうとしている、ということだからです。

 

ただし、逆に営業マンの対応が遅すぎるというのも要注意です。加盟金型とロイヤリティ型を比べれば、やはりロイヤリティ型の方が安定して利益を出せます。そのため、加盟金型になっているフランチャイズというのは、ロイヤリティ型になりたくてもなれない組織、という意味で根本的なビジネスモデルのレベルが低いことがよくあります。なので、組織構成がすかすかで、物理的にオーナー希望者や候補者の問い合わせを処理できなかったりするのです。

 

このように営業マンの姿勢にも注目しましょう。

 

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古川 暁

秀和システム

投資を知り尽くした東大卒・元外資系金融マンが、自分の資産運用先として選んだのは、「株」でも「不動産」でもなく「フランチャイズ」だった! 自らもオーナーとして3つのフランチャイズチェーンに加盟し、5店舗を経営。月…

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