(※画像はイメージです/PIXTA)

投資対象としても十分なうまみが得られるフランチャイズ。しかし、その選択には十分な精査が必要です。避けるべきフランチャイズ本部の特徴を詳述します。国内外の大手金融で25年のキャリアを重ね、その後は投資の観点でフランチャイズ業界を研究、自身も複数店舗を経営する古川暁氏が解説します。※本記事は、『フランチャイズ投資入門』(秀和システム)より一部を抜粋・再編集したものです。

 

●本部の説明と自分の調査結果に矛盾点があったら要注意

 

興味のあるフランチャイズを見つけたら、資料請求やフランチャイズフェアなどを使って前述の5点について質問します。

 

このとき大切なのが、本部の説明とは別に、必ず自分自身でも調べてみる、ということです。黒字比率などは簡単に知ることはできませんが、店舗数など調べればわかることもあります。

 

先ほども書いた通り、本部はあくまでも「営業」として話していますから、完全な嘘はつかないとしても、良い面だけを上手に説明したりすることには慣れています。

 

もし自分で調べた数値と、本部側から伝えられた数値に違いや矛盾がある場合は要注意です。

 

具体例としては、「昨年1年間で閉店した店舗はいくつですか?」と聞いたとき相手の営業マンは「多少はありましたけど、全然たいした数じゃないですね」などと答えたのに、調べてみたら20店舗もあった、といったケースです。これは純粋にデータとして20店舗閉店という事実を考慮しなければならないだけでなく、「都合の悪いことは平気でごまかしてくる相手なんだ」ということを示しています。

 

フランチャイズ本部と加盟オーナーというのは本来手を取り合ってお互いwin-winになるように活動すべき存在ですから、この一事だけでも黄色信号だと考えることもできます。

 

●ときにはライバル会社に裏を取るのも有効

 

本部側にとって都合の悪い情報は、こちらが聞いてもなかなか答えてくれないことがあります。

 

先ほどの閉店数の話で「たいした数じゃないですね」と言えるのは、ある意味そういった状況に慣れた経験豊富な営業マンと言えます。これが経験のない、スキルの低い営業マンだと「守秘義務があるので答えられません」などと言ったりします。こういった直接聞き出せない情報を知るテクニックとして、「ライバルフランチャイズに話を聞く」という方法があります。

 

例えばフィットネスジムのフランチャイズをやっているA社への加盟を検討しているとします。そのときに同じフィットネスジムフランチャイズのB社にも話を聞き、そこで「最近A社さんもすごく勢いがあると聞いているんですけど、どうなんでしょう」と訊ねてみるのです。他社の話ですから嘘はつけませんが、営業マンの心理としては自社が有利になるように話を進めたいと思います。そうなると結果的に「嘘ではない範囲でA社のネガティブな情報」を話してくれます。

 

少しずるいようですが、自分がフィットネスジムのフランチャイズに興味があるというのは事実なわけで、仮にA社が第一候補だったとしてもB社を検討しているというのも嘘ではありませんから、後ろめたく思う必要もありません。むしろA社にも同じようにB社のことを聞いて、公平な比較でA社もB社も検討する、というのが良いでしょう。

 

繰り返しになりますが、大切なのはあくまで相手は営業として話しているというマインドを持つことです。しっかり話は聞くが、その上で鵜呑みにするのではなく裏を取る。そうやってコツコツとデータを集めていけば、おのずと成功しやすいフランチャイズが見えてきます。

 

 

古川 暁

ロータス・インターナショナル株式会社 代表取締役

公益社団法人日本証券アナリスト協会 検定会員

 

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古川 暁

秀和システム

投資を知り尽くした東大卒・元外資系金融マンが、自分の資産運用先として選んだのは、「株」でも「不動産」でもなく「フランチャイズ」だった! 自らもオーナーとして3つのフランチャイズチェーンに加盟し、5店舗を経営。月…

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