(※画像はイメージです/PIXTA)

ネットの普及により、クリニックや医師の評価は多くの人の目にさらされることになりました。クリニックの経営を安定させるには「かかりつけ医」として選んでもらうことがなによりも大切です。旧態依然の「殿様商売」では、経営も危うくなってしまいます。自身もクリニックを経営する医師であり、数多くのクリニックのコンサルティングを行ってきた蓮池林太郎氏が解説します。

日本の「かかりつけ医」のしくみとは?

かかりつけ医の定義を平易に説明するなら「健康に関することを相談でき、必要なときは専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のこと」といったところでしょうか。

 

日本の医療システムでは、科目ごとにかかりつけ医がいる、かかりつけクリニックがある、ということになるでしょう。

 

かぜ症状や生活習慣病ならA内科、骨や筋肉の不調ならB整形外科、目の不調ならC眼科、肌のトラブルならD皮膚科など、領域ごとにクリニックがあります。

患者のリピートがない=かかりつけ医になれないと…

通常、かかりつけクリニックのない、もしくはかかりつけクリニックがあっても満足していない患者さんが体調不良になったとき、クリニックを探すことになります。

 

新規患者さんは主に、以下の3つの来院経路でクリニックを受診されます。

 

①通りがかりで知ったクリニックを思い出す

②スマホやパソコンでネット検索して探す

③家族や友人に口コミで紹介される

 

新規患者さんがクリニックをかかりつけ医に選ぶには、「初診→再診→かかりつけ」のステップを踏むことになります。

 

その際、初診時の印象がなにより重要となります。当然ですが、医師の診察を中心に、来院から受付、看護師などのスタッフの接遇なども印象に残ります。印象がよければ、かかりつけ医として選ばれる可能性が高くなります。そして、一度かかりつけ医になれば、そのクリニックの科目に該当する病気や症状になったとき、患者さんには自然とクリニック名や医師の顔が想起され、わざわざほかのクリニックを探すことはありません。

 

しかし印象が悪いと、クリニック名や医師の顔が想起されても、「あそこは止めておこう」と避けられてしまいます。せっかく一度来院していただいたにもかかわらず、大変残念なことです。

 

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