(※画像はイメージです/PIXTA)

ネットの普及により、クリニックや医師の評価は多くの人の目にさらされることになりました。クリニックの経営を安定させるには「かかりつけ医」として選んでもらうことがなによりも大切です。旧態依然の「殿様商売」では、経営も危うくなってしまいます。自身もクリニックを経営する医師であり、数多くのクリニックのコンサルティングを行ってきた蓮池林太郎氏が解説します。

リピートがあるからこそ、クリニック経営は安定する

人は第一印象、初対面が大事だといわれますが、診療においても同様に、初診のときが最も重要です。初診の印象が悪ければ、当然ですが再診もないからです。クリニック間の競争が激しい昨今、経営を安定させるためにも、より多くの患者さんに支持される必要があります。

 

高血圧の患者さんが初診で満足せず、別のクリニックをかかりつけにしてしまった場合と、初診で満足してかかりつけになった場合を考えてみましょう。

 

1回あたりの費用がおおよそ4,000円だったとします。かかりつけとならず、1度しか来院がなかった場合は「4,000円」のみですが、かかりつけとなって1ヵ月に一度来院することになれば、1年間(12ヵ月)で「4,000円×12ヵ月=48,000円」。初診1回の印象によって、4万円以上の違いが生じる可能性があるということです。

 

高血圧以外の生活習慣病である、脂質異常症や糖尿病の場合は、採血の必要もあるため、その差は一層大きくなります。

 

もちろん、科目や地域によっても異なるでしょうが、患者さんから「かかりつけクリニック」として選ばれ、リピートしてもらえるからこそ、経営も安定します。

リアルも、ネットも…「口コミ」の影響は本当に大きい

かかりつけに選ばれるかどうかは、リアルやネット上での口コミも影響します。

 

個人による影響力の差はあるでしょうが、もし満足してもらえなかった場合、その方からは、

 

「Aクリニックは以前かかったが、よくなかった」

「私はAクリニックより、Bクリニックのほうがいいと思う」

 

などの情報発信が続くと想定され、極論すれば、その方がほかの地域に引っ越さない限り、リアルでの口コミが続くことになるのです。


また、厳しい評価はインターネット上にも残り続けます。「Googleマイビジネス」や病院検索サイト等で、クリニックや医師を星(1~5)で評価し、口コミを投稿することができるようになりました。患者さんが口コミを調べようと思えば、すぐに確認できるのです。

 

当然、開業医自身も自分のクリニックの口コミを調べることができます。開業医のなかには、ネガティブな口コミを読み、ショックのあまり寝込んでしまう医師や、ネガティブな口コミを投稿されないか、診療のたびにビクビクしてしまう医師もいます。

 

しかし逆に、このようなフィードバックがあることで、医師の診療態度がよくなっているともいわれています。

 

かつては医師が「お医者さま」と呼ばれていた時代もありました。当時なら殿様商売でも大きな問題にはならなかったのかもしれませんが、いまは時代が違います。従来の価値観で診療している医師は、考えを改める必要があります。

 

テクノロジーの進化が、医師の診療にも多大な影響を与える時代になったのだといえるでしょう。

 

 

蓮池 林太郎

新宿駅前クリニック 院長

 

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