
インターネットで自分の症状を検索する患者さんのなかには、情報を収集し過ぎて「不安のスパイラル」に陥っている方が少なくありません。自己診断を振りかざす患者さんに手を焼く医師も多いのですが、対応を誤ると、クリニックの評判が低下しかねないため注意が必要です。自身もクリニックを経営する医師であり、数多くのクリニックのコンサルティングを行ってきた蓮池林太郎氏が繁盛するクリニック経営のポイントを解説します。
ネット検索で訪れた患者が、辛口批評をしがちなワケ
新規の患者さんは、「通りがかり」「インターネット」「口コミ」の3つの来院経路でクリニックを訪れます。しかし、そのうちのインターネットで病院を探して来院する患者さんが、最も悩み深い傾向にあります。なぜでしょうか?
通りがかりで知って来院される患者さんは、病気や症状を自分で調べることなく「のどが痛いから風邪だろうと判断し、近くの内科に行ってみる」「急に目が見えにくくなったから、近所のかかりつけの眼科を受診する」という流れでクリニックを来院します。
また、家族や知人からの口コミで来院した患者さんは、その時点である程度の信頼感をクリニックに持っています。病気や症状で深く思い悩んでいる、というよりは「評判のいいクリニックにかかりたい」「ハズレのクリニックにかかりたくない」という心理が強い傾向があります。
しかし、インターネットで病院を探して来院する患者さんは「通りがかりや、かかりつけのクリニックでは悩みが解決しないのではないか」と思っているからこそ、すぐに近所のクリニックにかかるという行動を起こさず、自分の病気や症状をスマホやパソコンで調べるのです。
まずは普段通っているかかりつけのクリニックで診察してもらう場合もあるでしょうが、「なかなか治らない」「思うように完治しない」からこそ、インターネットで病気や症状を検索するのです。そして多くのクリニックを「比較検討」しているわけですから、おのずと期待が高くなります。
また、クリニックのホームページの内容が期待できそうなものならば、おのずとクリニックの評価点への期待値も高まります。
点数と評価の関係は個人差があるでしょうが、100点満点で60点くらいを予想していて、40点ならやや不満、20点なら不満になりますし、80点ならやや満足、100点なら満足になります。
ホームページや口コミの内容が素晴らしく、80点を期待していたところ、実際は60点だったとしたら、期待値よりも-20点なわけですから、やや不満に感じてしまうことになります。
遠くからの来院であればあるほど、それだけ労力をかけても価値があるクリニックと判断しているわけですから、期待されているということでしょう。
世界の富裕層が実践「フィリピン・永住権」を活用した最新・資産保全術を限定公開