(※画像はイメージです/PIXTA)

近年では、新規開業するクリニックの数は増加の一途をたどっており、いつ競合先が出現しないとも限りません。クリニックの収益を守るには、新規参入障壁を高くする対策を講じる必要があります。自身もクリニックを経営する医師であり、数多くのクリニックのコンサルティングを行ってきた蓮池林太郎氏が解説します。

先生のクリニックの隣に「新規競合先」がやってくる!?

昨今、新規開業するクリニックは増え続けています。無床診療所の数は1980年ごろには5万軒ほどでしたが、2000年ごろには7.5万軒ほどになり、2021年現在、10万軒を越えています。

 

このような状況下、ご自身が開業しているクリニックの近くに、いつ新規開業があってもおかしくはありません。

 

新規開業するクリニックは競合クリニックについて、インターネットで必ず調べています。

 

新規開業する医師の多くは30代から50代前後と比較的年代が若く、インターネットを使った調査が苦手な人は少ないようです。

 

ご自身のクリニックを客観的に把握するのはなかなか難しいことですが、新規開業するクリニックは、競合クリニックをどのように評価しているのでしょうか?

 

競合クリニックには、新規開業するクリニックとの「距離」「通りがかり」「ネット力」「口コミ」の4つの評価軸があります。1つずつどのように評価しているのか、そして、できるだけ新規開業の可能性を下げる予防策を解説したいと思います。

【距離】既存より好立地な場所に開院される傾向がある

新規開業場所と競合クリニックとの距離によって、競合度合いが異なります。基本的には近ければ近いほど競合度合いが高くなります。

 

また、新規開業するクリニックは、既存のクリニックと比べてより好立地に開業する傾向にあります。

 

◆予防策◆

 

新規開業場所を制限することはできませんので、予防策はほぼありません。

【通りがかり】人の多さがそのまま認知度に直結する

通りがかりとは、競合クリニックの前を通りかかる人がどれくらいいて、そのうちのどれくらいの人に認知されているのかの評価軸です。

 

通りかかる人数やクリニックの認知されやすさ(看板や外観が目立っていてどれくらい覚えてもらえるか)などの認知度の高さが影響します。

 

通りかかる人数が少なく認知されにくいほど認知度が低く、通りがかりという観点では弱いクリニックと判断されがちです。

 

◆予防策◆

 

通りかかる人数が多く認知されやすい場所に移転することにより、通りがかりにおいて競争力をつけることができます。ただし、移転するとなると内装費もかかり大がかりなことなので、すぐ簡単にはできることではないでしょう。

 

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